【就活】ジョブ型の波に、どうついていく? コロナで変わる、長期インターンの最前線
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新卒採用にまでジョブ型を適用する問題点を挙げる。
企業側でジョブ型という呼称で評価制度だけでなく採用にも適用する会社が出てきているが、エンジニアやデザイナーといった一部の職種を除いて、大学生の専門性を評価できる人事がどれだけいるだろうか。
例えば4年生文系大学生の専門性とジョブをマッチさせる能力が人事にあるのか。哲学、社会人類学を学んだ学生の専門性を分解し、どのジョブの専門性とマッチさせるのか。このマッチングができる人事は日本に数少ない。
採用に関しても「あるべき」から逆算して考える必要がある。「ジョブ型」という流行りのワードに流されてはいけない。「バリュー」「スキル」「キャリア」といった単語が並び、就職のツール・競争の新たなステージとしての長期インターンばかりが前面に出たこのインタビューには正直大変な違和感を感じました。
私個人は長期インターン制度が大学に組み込まれており、新卒市場が存在せず若い世代の失業率が高いフランスで長期インターンの学生を研究所・スタートアップ・大手企業で預かった経験があります。
インターンを受け入れる側に賃金の安い即戦力の確保や人材のマッチングといった目的もある事は否定しません。ただインターンの学生を預かる現場の人間として最終的な根っこは、やはり教育です。
このインタビューに感じた違和感は、この教育という視点の欠如に他なりません。
長期インターンは教育制度の一つであるというのがまず大前提で、その上で如何に教育内容の質と効果を担保していくのかという仕組み面での議論無しに長期インターンが流行として煽られることに大変な危惧を抱きます。
またそうした制度面が十分には整っていない現状でありながら、ただ学生に対して複数企業での長期インターンにスキマ時間での参加を求める呼びかけには正直どうなんだろうと考えてしまいます。
制度面では受け入れ企業の体制に加えて、それ以上に大学のコミットメントが不可欠です。学業に無理ない長期インターン参加を可能とするカリキュラム面での調整はもちろん、大学が学生と企業の間に立ってインターンシップの質を担保し立場の弱い学生を守る体勢が必要です。これが無いと長期インターンは安価なやりがい搾取の手段へと簡単に転落してしまうはずです。
フランスのインターン制度にも問題はありますが、大学からのインターン学生の受け入れ時には基本的に大学とも契約を交わします。インターン期間の最後には大学に出向いて学生の口頭発表と試問に参加し大学教授との評価会議への出席も必要など、日本で卒論の学生を預かって指導する程度の負担と責任が企業側には求められます。
正直大変ですが、教育として学生の時間を預かる以上当然の事だと思います。長期インターン自体は今後日本でも重要となる仕組みだと考えますが、教育という目的を見落とすことなく制度として定着することを望みます。