[ロンドン 22日 ロイター] - 資産運用会社ジャナス・ヘンダーソンは22日、世界の配当金総額が今年、最大5%回復する可能性があるとする報告書を公表した。昨年は新型コロナウイルス流行の影響で、金融危機以来の大幅な落ち込みとなった。

世界の企業が株主に支払った配当金は昨年、実質ベースで10%超減少した。5社中1社が減配し、8社中1社は配当を取りやめた。

ジャナス・ヘンダーソンの世界配当指数によると、2020年4─12月に総額2200億ドル相当の配当削減が行われた。ただ、企業が少なくとも部分的に配当を再開する兆しが出ている。

報告書によると、今年の配当は最悪のシナリオで2%減少する可能性があるものの、最善のシナリオでは名目ベースで5%の増加が見込まれるという。

「企業は2021年に特別配当を支払う可能性がかなり高い。強いキャッシュポジションを生かして2020年の減少分を部分的に穴埋めするだろう」としている。

報告書では今年の配当回復について、欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行(英中銀)が銀行に対する配当や自社株買いの全面禁止を緩和したことを受け、銀行部門が主導する可能性が高いと指摘した。

昨年の配当金は、地域別では欧州(英国を除く)が実質ベースで28.4%減の1716億ドルと、少なくとも2009年以来の低水準となった。

一方、北米の配当金は2.6%増の5490億ドルで過去最高を更新した。