ミャンマー民主化の歯車を逆転させてはいけない - 田中均の「世界を見る眼」
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結局、対立構造は悲劇を生むという事だ。
アウンサンスーチーは偉人だけど、軍と対立構造を作ってしまったのは、政治的な課題。彼女は国民の圧倒的な指示をバックに軍を敵視していた。しかし、軍は少数民族対策の長年の当事者(軍は貢献者と思ってる)であり、経済的な既得権益、議会の議席数など、権力を持っている。これを事を現実的に捉えて政治的に懐柔するのも政治トップの役割だが、彼女は軍を排除する意思があからさまだった。
この戦略で、軍事政権反対という国民感情を高めて、選挙では圧勝することができたが対立構造を高めた事は間違いない。
私もミャンマー人と話すと、軍事政権への対立思想が根底にあり、そこから全てを展開する思想の人が多い事に気付かされる。
結局、追い込まれた軍は強行手段に出て、政権奪取したわけだが、今後、その軍を追い込むほど、軍は次の強権手段に出るしかなく、今はまだ、ギリギリ冷静な軍を懐柔する事が重要。
軍も強行手段だけで国を乗っ取れるほど、現代社会は単純でない事に気付いているだろう。軍側も対立構造に立ちすぎた失策。
ミャンマーは、経済的な危機、中国の影響力の拡大というガバナンスのリスクも迫っている。
日本はミャンマー軍とNLDの間に立ち、現実的な解決策に貢献できる唯一の存在なので、日本の政府関係者には頑張ってもらいたい。