イタリア中銀、ツイート集計し人々の物価認識を指数化 有効と指摘
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面白いですね。関連tweet(物価上昇関連tweetと物価下落関連tweet)の日次頻度変化に着目しているんですね。
サーベイベース(正確性は高いが実施頻度が低い)やマーケットベース(頻度は高いがリスクプレミアムや流動性プレミアムが影響する)との連動性がそこそこ高かった上、サーベイベースの予測モデルにTwitterベースのファクターを加えることでin-sample期間、out-of-sample期間ともに予測精度が上がったとのこと。テキストマイニングはもっと幅広い分野でマクロインディケーターとして活用の余地があるんだろうなあと改めて思いました。
https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&url=https://www.bancaditalia.it/pubblicazioni/altri-atti-convegni/2020-bi-frb-nontraditional-data/miccoli_slides.pdf&ved=2ahUKEwjOoOPovu3uAhVZ62EKHYRfBO8QFjABegQIAhAB&usg=AOvVaw0WD_-Z5fGz3jMuehCuoJoT&cshid=1613447277520現在、各国で類似の取り組みが行われていますが、これもその一つとして、興味深い取り組みではあると思います。
今や「去年と全く同じ財」を見つけることの方が難しくなっています。仮にそうしたものがあっても(例:最もプレーンなハンバーガー)、それが象徴的に、一時的な価格競争のタマに使われることもあります。
特に、ハイテク製品は継続的に機能向上が行われるため、「去年と全く同じもの」を見つけるのは容易ではないですし、ヘドニック法などによる品質調整は変数の選択などに恣意性が排除できませんし、そもそも、農産物の質の変化などにまで品質調整をかけることは困難です。さらに、「帰属家賃」のように、その品質調整のやり方次第で物価指数全体に大きな影響を与えるものもあります。
加えて、情報技術革新のもと、「ポイントカード」のようなボリュームディスカウントや「会員割引」などが多用されるようになっており、古典的な手法によって物価を把握することは、ますます難しくなりつつあります。
このような「古典的な物価指数で物価動向を把握することの難しさ」は、議鬱革新の下、世界的にますます強く意識されています。だからこそ、多くの国々が新しいデータを用いた物価動向の把握に乗り出しているわけで、そうした努力は重要と思います。
一方で、これらの取り組みはそれぞれに一長一短があります。ここで紹介されているツイートを使う方法も、一般的なインフレ予想を把握するにはある程度有益でしょうが、同時にデータのクレンジングなどの課題もあります。結局、さまざまな指標にトライするとともに、これらを総合的に見ていく他はない、というのが現段階でのコンセンサスと思います。ツイッターは匿名性が高いため、悪質なデマや中傷が多いです。そうしたツイートにフィルターをかけて残ったサンプルで物価認識を測るのと、古典的な調査で測るのと、正確性は後者にあるような気がしますが、どうでしょう。