JALとANA、東北新幹線運休で臨時便や大型化
コメント
注目のコメント
羽田ー仙台や羽田ー花巻といった航空路線は、1982年の東北新幹線の開業とともに休止・廃止されていった過去がありますが、一時的とはいえ再び高速輸送の任を担うことになりました。東北新幹線開業前には、仙台便は全日空が1日4往復、花巻便は東亜国内航空が1日2往復でしたから、ほぼ当時の便数と同じ規模で運航することになります。
似たような状況は、2004年の新潟県中越地震でもありました。上越新幹線や上越本線の復旧におよそ2か月を要したこともあり、年末年始の需要も踏まえて2か月強、羽田ー新潟という短い路線ながらJALとANAで合計1日8~10往復を運航していました。
東日本大震災当時もそうですが、空港等の施設運営に携わる皆様のご尽力により、このような地震の際の交通・物流・支援の拠点として空港が大きな役割を果たすことができるようになっています。航空会社は、単に運び屋としてその一翼を担っているのにすぎません。関係者全員の努力と使命感に脱帽です。有事における代替移動手段としてだけでなく、公共交通のあり方も多様な選択肢がないと社会が成り立ちません。
SDGsやCOVID-19感染症の影響もあり、飛行機での移動がネガティブなものになっていたことを少し危惧していました。もちろん、飛行機よりも列車を利用することで環境負荷を減らそうとする運動などに異を唱えるつもりは全くありません。
但し、旅行・観光関連事業者であるにも関わらず、持続可能な社会のためには飛行機を利用するなと訴えている人たちに今回のような災害時の交通手段の確保やCOVID-19感染症が収束した後のインバウンド市場の回復のことなどをどのように考えているのかを聞いてみたいです。大変な経営環境の中、このような迅速な対応を見せている両社には頭が下がります。当然需要に合わせてという部分があるのでしょうが、必要なインフラを提供している、出来るというのは利用者だけでなく、投資家にも安心感を与えるものであってほしいです。