ネットフリックス、アニメーターの育成支援
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プロダクション・アイジーの仕掛けのようですね。『攻殻機動隊』で名を馳せたスタジオで、社長の石川光久さんは業界の風雲児です。
記事には、「日本在住で、3月に高校を卒業見込みか、高校以上を卒業した18歳から25歳までが対象。ネットフリックスは1人月額15万円の生活費と60万円相当の授業料を負担する」とあります。手篤いですね。これまでは生徒が授業料を支払うか、OJTとして低賃金労働のなかでスキルを身につけるのが主流でした。プロダクション・アイジーや京都アニメーションなどいくつかのスタジオがその是正に取り組んできましたが、簡単ではありません。潤沢な資金をもつNetflixが動けば、業界は大きく変わりそうです。
日本でアニメを作るには、さまざまなパートナーから資金を募る「制作委員会方式」をとらざるをえません。自社だけで資金をまかなっても、展開するチャネルが限られますし、リスクも大きい。しかし、制作委員会方式だと、そのシリーズ展開が終わると、分配されて解散するので、IPを継続的に展開できません。
Netflixなどでは、シリーズをどんどん展開して、ひとつのIPを育てていくのが主流です。アニメシリーズがもっと大きなビジネスになる可能性は十分にあると思います。そこで日本が役割を果たせるかどうか。1人のファンとして、熱い期待を寄せてしまいます。
注目のコメント
これは衝撃。日本のアニメ産業の育成主体が政府や日本のアニメ業界からNetflixに移転する。外国プラットフォームによる小作化がアニメでも決定的になるわけだが、アニメーターとしては日本の事業者の奴隷化からの待遇改善ということだろう。
こうやって業界の支配権が移転していくわけだが、改めて思うのはグローバルスケールするマーケット戦略か産業の支配権にとってクリティカルに重要ということ。マーケットを持ってるからこういうカネがかかるプレイをやってもペイする。
グローバルにマーケットをとるデジタルプラットフォームを生み出すこと、またはそういうプラットフォームに影響を与えられるような地位を獲得することは、日本にとってますます重要になるだろう。
孫さんがやっていることというのは、そういう文脈で理解する必要があるんだと思う。どこがやるのかと思ったらプロダクションIG!ここは経営がしっかりしていて、合理的にヒット作を生み出すノウハウを持っています。以前アニメ業界の問題や課題、どうすればいいのかなどじっくり話を聞きましたが、とても理路整然と話していただきました。
Netflixはお金はしっかり出して要求するのは世界配信権だけ。パッケージや商品化権、楽曲の権利などは求めないそうです。
Netflixは日本進出時から日本アニメには注目していました。当時Netflixに聞いてわかったのは、世界は日本アニメの面白さをほとんど知らないので、Netflixが新たな市場を開拓する、世界の膨大なユーザーのごく一部が見るようになるだけで、投資は回収できる。クリエイターには自由に作ってもらう。Netflixに配信させてもらえばなんの苦労もなく自分の作品を世界の人に知ってもらえる、世界を相手にする巨大企業だからこそ圧倒的な資金力で日本の作品を買い占められるし、ユーザー数の増加に貢献できる日本アニメに投資する意味で人材育成にも乗り出すのでしょう。
そういえばNetflixの日本アニメ責任者はプロダクションIG出身でした。日本アニメがどんどん世界に飛び出していくことを願ってます。ネットフリックス上の視聴ランキングではアニメが上位にくることが多くなっていることもあり、中長期でアニメに投資するという意思決定をしたのでしょう。コンテンツのIPをいかに握るかがビジネスのキモであり、IPをつくる優秀なクリエイターをいかに握るか、という観点では育成支援から入るのは良いと思います。中長期の戦略があるからこそ打てる打ち手だと思います。