米政権、半導体不足解消に注力 供給網の障害特定へ
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障害というか、物理的にできることとできないことがある。だからポーズは見せても、実質的に短期で対処できることはほとんどないと思う。
下記が今起こっていることの自分なりの理解。
①半導体は様々な化学プロセスを重ねていくことで作られるので、生産開始から納入まで数か月(モノによるが、3か月とか)かかる
②車載半導体は、CPUなどで使われる最新半導体(回線幅7-10nm、ウエハ直径300mm)などの装置がメインではなく、昔のもの(回線幅数十nm以上、ウエハ直径200nm)が多い
③電子機器のほうが回復(需要・在庫サイクル)が早く、また需要構成比でも通信併せて定常時で多い。そのため、コロナで先行きが見通せない中でも先に一部の車載でも電子機器でも使われるキャパを取られた
④Continentalが代表だが、半導体を自社で生産せず、また供給が安定的であることを前提に在庫をリーンにしていた企業が、この目算がはずれて足りなくなり、玉突きで世界中のメーカーに影響を与えている
①ゆえにどんなに頑張っても数か月かかる。また、あえてキャパを増やすかというと②の状態で基本的に車載は「昔の最先端ライン」を流用していく流れなので、そんなに爆発的に投資は増えない(だから先に値上げが来る)し、増えても工場・ライン作るのに一定の時間がかかる。③・④で電子機器に約束をしているので、ファンドリーとしても確保されているものをそんなに簡単にほかの客に渡せない。
関係Pickは下記あたりから…
在庫・需要サイクル(リードタイム)
https://newspicks.com/news/5520310
https://newspicks.com/news/5522783
値上げやキャパの話
https://newspicks.com/news/5562158
https://newspicks.com/news/5538429
むしろ足元過剰発注(ダブルブッキング)の可能性
https://newspicks.com/news/5599526
https://newspicks.com/news/5586074経済に直接影響があるが、SCMをどう考えるかの違いなのよね。トヨタでは在庫が確保できていたり、サプライヤーを確保できていたり、で影響軽微なのに対してほかの会社が影響を受けているのだとすれば、これは単純に各社の調達方針の違いからくる事象なのでは?とは思う。
政府が口を出すような話なのか?普段、買いたたいておいて必要な施策を打ってこなかったのに、自分たちが大変になると、大騒ぎするというのでは、半導体供給サイドは閉口してしまうだろう。自動車やPCゲームなどの産業に使われる半導体が、協力企業の研究開発への依存、生産に依存する体制になっていると、優先的な調達能力(サプライ・チェーンの構築)がその国の競争力を決めてしまいます。ですから、政権として現在「調達難」にある半導体の特定を急ぎ、政府の力で解決を図ろうとしています。オープン・イノベーションという言葉が独り歩きし、もてはやされていましたが、その負の部分として、当然に予想されていた問題だったでしょう。
もともと、日本企業、特に自動車産業は「系列」による調達能力に優れていましたが、調達コストの低減を目指す中で、また、グローバル化や研究開発の外注化の中で、徐々にその力を失っています。それでも、いまだ個々の企業としての力は米国と比べると劣っているとは思いませんが、「国策」として米国が動くとなると、劣位に立たされる恐れがあるため、警戒および対策が必要だと思われます。一企業としての限界が見えるため、国のサポートが必要になるかもわかりません。