政府、ミャンマー支援の停止検討 現地情勢見極め判断
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日本の経済協力は、ミャンマーの民主化及び国民和解、持続的発展を支援するため、民政移管後、2012年に見直された。軍政に戻るのであれば修正せざるをえない。強いメッセージになる。
スーチー氏のみならずNLD幹部など160人以上、さらには豪州の経済学者も拘束された。欧米から見れば人権問題として深刻な状況。他方で、東南アジア諸国から見れば、民政移管された10年間のミャンマーが、むしろ例外だったのかもしれない。
NHKがインタビューした隣国タイの将軍は、ミン・アウン・フライン司令官をよく知っており、「とても静かで穏やかな人だった。軍政から民政への移行期だったためタイを訪れた際には、必ず本屋に行き、現代の世界情勢について知識を得ようとしていた」と述べている。さらに、アウン・フライン司令官が総選挙のやり直しを行うと主張していることについて「それぞれの国にあった形の民主主義にするという考え方を自分の国で今後生かすのではないか」との見解を示している。
バイデン政権はじめ欧米、そして国連安保理は、地域機構であるASEANに活躍してほしいと考えている。しかしASEANの慎重な立場は変わらないだろう。
日本はミャンマー情勢に「重大な懸念」を有している。軍政とも対話できるので、経済協力をレバレッジにしつつ、重要な役割を果たしえる。茂木外相は2月5日(金)の記者会見で、英国などからミャンマー情勢の見方を聞かれていると明らかにしつつも、軍政との対話のチャンネルが動いているかについてはセンシティブであると言及を避けられた。
円借款を引き揚げるか中止しつつ、無償の医療支援や技術協力は続けるとか、政策の引き出しが多いのも、日本の強み。
NHK、2月8日付 ミャンマー クーデターから1週間
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210208/k10012856181000.html
茂木外務大臣会見記録
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaiken6_000071.html#topic2アメリカの制裁の影響力は限られるが、日本は先進国の中では最もミャンマーに近い存在だっただけに、こうした支援停止は一定の影響があるものと思われる。ここで毅然とした態度をとることは対中政策を進める上でも重要。
日本はこれまでも、軍政下で95年にアウンサンスーチー氏の自宅軟禁が解除された際に市民に直接利益が及ぶ分野での支援を再開し、その後の再軟禁で再び援助を停止するなど、情勢に応じて経済協力の方針を調整してきました。両国のつながりを維持しつつ、国軍にしっかりメッセージを送って対応を促す、そのバランスをどう取るか。