新着Pick
167Picks
Pick に失敗しました

人気 Picker
ルネサスが大きく勝負に出ました。約6,179億円の大型買収です。注目すべきはその領域と買収資金の確保。

1)5Gという成長分野へ積極投資

主力の自動車向けを強化し、成長分のポートフォリオを拡充する意味狙いがあります。現在自動車向けが54%の売上を占めるが、今後の成長分野としてIoTなど非車載領域で確実な成長が見込める5G領域、かつ自動車との相性が良い5G領域での足掛かりを確保。

2)対象企業について

電源制御ICの技術に強みを持つが、米アップルへの依存度が6割弱とかなり高い(スマートフォンの電源ICなど)。近年はIoT関連のM&A(合併・買収)で多角化を進めてきており、ポートフォリオの拡充、脱アップルかを図っている。この点は、自動車依存を脱却したいルネサスと揃ってはいる。

3)シナジーとリスクは?

ルネサスが強みとする機器を制御するマイコンと、ダイアログの電源制御ICを組み合わせることで、5G基地局向けの技術開発につなげる狙いがあるとしている。確かにその通りなのだが基地局向けの市場も競争が激しく、しっかりと勝ち切れるかはまだ不透明だろう。

4)資金手当

ルネサスの株価は過去5年の高値圏にあります。時価総額も2兆円を超えています。この株高と低金利を活用した今の市場環境は確かに良いタイミングではある。

最大の注目点は、同時にエクイティファイナンスに向けて新株発行登録を行っている点。ブリッジファイナンスで7,354億円を調達しており、一旦これで買収資金を賄うが、財務体質が一気に悪化するため、これをエクイティでテイクアウト(返済)する見込み。2700億円を想定しているので、その時点の株価次第だが、借入:株式を6:4ぐらいの割合で実行することを想定している。いずれにせよかなりの大勝負ではある。

ただいまは株高なので、希薄化率は13%程度と無理のない範囲。買収交渉をしながら、堅調な株価を背景にこの経営判断を行ったと思われる。かなり大きなリスクテイクだが、市場からどう受け止められるのか、しっかりとインテグレーションを図れるのか、自動車とIoT分野で日本の半導体がしっかりと一定の競争力を維持できるのか、極めて重要な試金石となろう。
おー、決まった!

<スキームのサマリー>
現金での買収、金曜終値から+20.3%のプレミアム、2021年末までの買収完了見込み。資金は短期は借入、長期は新株発行を伴う資金調達を行う可能性がある。
なお、Dialogは最近のグローバルな半導体祭りの中ではバリュエーションは安めでPER20倍、EV/EBITDAで13倍ほどで、そこから+20%のプレミアム。
リリース:https://bit.ly/3aYQwjh

<意義>
Dialogは、ファブレスで、ミックストシグナルと呼ばれるアナログ・デジタルが混載されたタイプのチップを手掛ける。世の中はアナログの世界なので、それを信号処理するためにはデジタル変換したり、デジタル処理したものを再度アナログにして出力するなどをワンチップで行う。
Apple向けが極めて多く、特に電源管理については、Appleが従業員含めて買収(下記)。ただIRページで一番直近の2020Q1のIR資料を見ても、過半はApple向け。
通信・電源・A/D・D/A変換という観点では、リリースにあるようにIoT領域をどう増やせるか。あとは車載でも通信とA/D・D/A変換組み合わせた領域は当たり前だが成長していく。現在ファンドリーに出しているものを内製化していくかなどもシナジーという観点では気になる。
https://newspicks.com/news/3377096