旅行収支、20年の黒字79%減 20年、コロナで訪日客低迷
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2020年の旅行収支が大幅に落ち込んだとしても、結果的に経常収支は黒字です。
近年、日本は貿易以上に金利配当で稼いできました。2005年には一次所得収支額と貿易収支額がほぼ同額になり、2006年以降は一次所得収支額が貿易収支額を上回っています。
今回も前年に比べて経常収支額が下がったとは言え、2020年の経常収支額はバブル期(1989年)と比べて約2倍もありますね。
注目のコメント
少し前までは、インバウンドの消費額は1兆円もありませんでした。訪日外国人市場というのは、ごくごく最近の市場なのです。
日本人の海外旅行市場は、バブル経済の時代に非常に伸びました。
団体が当たり前だった海外旅行の、個人旅行化が進み、HISさんが団体用に卸された航空券をバラ売りして、個人が安価に海外旅行にいけるようになった時代です。
現在、日本の海外旅行出国者は2000万人程度で、ここ数年、横ばいが続いています。そして消費額は4兆円程度です。
インバウンドは、コロナ禍前の2019年で4.9兆円ほどありまして、政府目標では2030年15兆円をかかげています。
少子高齢傾向の日本人の海外旅行は、これ以上増えることはないかと思われますので、今後も、コロナ禍が収束すれば、なおさら、旅行収支は、ずっと黒字が続くでしょう。
黒字ならいいじゃないか!となるかもですが、やはりこれは貿易摩擦を生みます。
また日本は島国なので、航空機が就航しないと、やってくることができませんが、航空需要としては、海外から日本へ来るのと同時に日本人がその国にいくニーズもあったほうが就航しやすくなります。
旅行収支をトントンにすることは、マクロ的にみて不可能と思われるので、どういうことで旅行貿易摩擦を解消していくかが中長期的な課題ですね。一昔前まではインバウンドよりも日本人の海外旅行の方が多かったので、旅行収支は赤字が当たり前でした。
そんな旅行収支がこれだけのインバウンド消滅でまだ黒字ということは、それだけ日本人の海外旅行も大幅に減っていることを意味します。