彼女と分け合ったカレー1皿 ココイチの手紙で人生一変

有料記事いつも、どこかで

若松真平
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 23歳だった若山陽一郎さんは2002年、岐阜県から上京した。

 中学生の時に見た「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」のコーナーがきっかけで、ストリートダンスに夢中だった。

 当時、大人気だったダンス&ボーカルグループのバックダンサーに選ばれるほどの実力があったが、稼ぎがあるのは仕事に呼ばれた日だけ。

 貯金もほとんどなく、幼なじみのワンルームマンションに居候したり、仲間と3人で部屋を借りたりしていた。

 移動するための電車賃もなく、デパ地下の試食だけで食いつないでいた時期もあった。

 そんな時、付き合っていた彼女が岐阜から会いに来てくれた。

小銭をかき集めても400円

 本当はレストランにでも連れていきたかったが、小銭をかき集めても400円しかなかった。

 2人で歩いていると、牛丼の吉野家と、カレーハウスCoCo壱番屋(ココイチ)が並んでいるのを見つけた。

 どちらにしようか迷ったが、彼女はカレーの方が好きだろうと思い、ココイチに入った。

 メニューを見ると400円で頼めそうなのは、ポークカレーぐらいだった。

 小さなプライドかもしれないが、おごらせるわけにはいかない。

 そう思ったから、2人で1皿を分け合うことにした。

 「ポークカレーを1杯ください。2人で分けて食べます」

 恥ずかしくて店員と目を合わせることができなかった。

 すると、笑顔でこんな言葉が返ってきた。

 「はい、ポークカレーですね…

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