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両親はプエルトリコ人移民で、ニューヨークでもブロンクスに住んでいたそうなので、資産はあったのでしょう。高校の時に国際高校生科学フェアに出場し、微生物学分野で2位に入るほどの優等生でした。こういうのは、米国の大学への入学審査にはすごく効果があります。
このあたりの同議員の「貧困からの成り上がりストーリー」の実態については、米国のメディアですでにかなり指摘されていることです。
問題は政策とその実行力ですが、典型的な米国の急進的リベラルで、移民の増加擁護、銃規制推進、環境保護への支出増大、などです。やや特色があるのは、積極的な財政拡大で、教育に限らず、国民皆医療保険制度などの社会保障を充実させるという点です。
同議員自身、「民主社会主義者」と呼ばれることを肯定していますが、特に英国、米国の民主社会主義、斬新的な社会改革を目指すいわゆる社会改良主義の延長上と考えていいでしょう。オーウェンとかフェビアン協会、アメリカ社会党の流れです。彼らは、議会を通した社会改良のために、自分たちの小政党はつくらず、政権をとれる大政党に加入するのも特徴です。
米国でこの流れの民主社会主義者が政権をとったことはまだありません。同議員自身は、北欧の福祉政策を民主社会主義の典型と考えているようですが、人口の規模も財政の基盤も米国は全然違うので、さすがにそのままは適用できないでしょう。
しかし、彼女のプログレッシブという政策面は今の日本と似ていませんか?
巨額の財政出動をしながら、国債依存率を増やして、コロナ対策をして、最大多数を延命しつつ(アメリカや中国はもっとバンバン倒産させてしまう)国全体としては若い世代にツケを回しながら、徐々に沈んでいく。
AOCが正しければ、日本にとっては朗報ではないかということと、
AOCが間違っていれば、将来のツケを払うかもしれない若者世代が熱狂しているという事実が非常に興味深いと思いました。
それだけ、アメリカ社会は格差と分断が進み、それに、みんな苦しんでいる。トマピケティの、資本が稼ぐことが、人が労働するより効率いいという資本主義の事実を、体現しているのがアメリカです。
確かに政策が実現すれば、格差は縮小しそうです。ただし、実行にはどれも財源が必要で、その理論的支柱がMMTという点は課題が多そうです。
もちろんMMTの正否はまだ証明されていませんが、もし実施して間違っていたら、将来世代に大きなツケを残すことになります。プログレッシブはあまり財源問題について深く語らないようなので、今後さらに大きなムーブメントにするには、その点をいかにクリアしていくかが問われます。
裕福層 対 貧困層 みたいな構図になってしまうのも分かるのですが、「お前は沢山持っているのだからこっちにもよこせ」というメッセージではますます対立が煽られるばかりのように思います。格差是正は裕福層も含めた社会全体とってベネフィットのあることだと思いますし、そういうメッセージももっと発信されてもいいのではと思います。
1. 労働階級出身として圧倒的な共感を生み
2. 所得、教育、医療の平等を政策として掲げ、MMT(お金を刷る経済理論)と所得税増税によって財源確保
3. すきの無いコミュニケーション能力とSNSの圧倒的人気で支持基盤とやりとり
https://newspicks.com/news/5354807
支持されるということは、そこに不満があるということ。それは①でのエレファントカーブの議論にもつながる。またそれに伴う平均賃金や税含めた財政の議論が本記事のようにも②でコメントしたようにもある。
①https://newspicks.com/news/5585106
②https://newspicks.com/news/5602403
例えば大学無償化ですが、アメリカの大学の学費がそもそも高騰した原因に手を付けようとしていない。無償化によって進学希望者が増えれば当然供給は限られるので、大学側はますます学費引き上げに動くでしょう。結果政府負担が激増するだけでいくら金があっても足りなくなります。国民皆保険もそもそも医療費がなぜこんなに高いのか、無償化した時に治療価格が上がらない(もしくは下げる)制度設計が必要ですが、その話はほとんどされない。教職員組合や看護師組合は民主党の有力支持団体ですから、そこが不利になるような制度設計に手をつけることはないでしょう。
北欧諸国や日本は学費や医療費はそもそも安く、価格も統制されているが、アメリカはべらぼうに高い上に価格統制もないので無償化しても本質的な解決にはならない。
資本主義からプログレッシブに移行すれば、アメリカも日本に似てくる部分もありそう。ただ、違いも大きい。例えば、日本は格差がないことを無意識の前提として受け入れ、実際は格差も大きい。アメリカは格差がものすごく大きいことを大前提として問題視し、実際に格差も極めて大きい。