【ルポ】私はニューヨークで「大不平等」の現場を見た
NewsPicks編集部
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米社会に根強い経済格差が、コロナ格差、ワクチン格差にもつながった構造を描いてみました。10年前にオキュパイ・ウオールストリートが所得格差に抗議した時にこんなことになるとは想像もしませんでした。でも米社会では、格差の連鎖が止まらず、これは日本でも起き始めていると思います。
アメリカ同様多民族国家であるシンガポールに住んでいます。私は
ルールを守れば自由に外出することが出来ますが、ブルーワーカーの方たちは未だ街中に出ることが禁止されています。サーキットブレーカー中は、彼らに物品を届けるボランティアをしていましたが、狭いところから自由に動けない苦しさが伝わってきたし、彼らの住んでいるドミトリーはこれまで訪れたことのない僻地にありました。同じ国に住む外国人でも国籍が違うだけでこんなにも違うものかと言葉がありませんでした。
結局のところ私は自分の属しているコミュニティのことしか知らないし、弱者の事を考える想像力がないということを思い知らされました。日本では健康保険と年金に全国民が加入するようになっており、年々落ちているとはいえ財政も確保されています。
高額医療費控除もあり、優れた保障制度の一つだと思っています。
一方アメリカは確定拠出年金に近い401kと、保険は国民は民間のものに頼らざるを得ない状況です。
民間での保険は高く、対応できるプランが異なることもあるため、病院に行けない人と裕福な人の差は元々ありました。
致死率が高いコロナでより残酷なデータが明るみになったと言えるでしょう。
余談ですが、日本人が米国で手術を受けると法外な値段となりますが、日本に戻って申請すれば日本で受けられたはずの手術額との差分を補填する制度があります。