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https://www.un.org/securitycouncil/content/presidency
原文はこちらです。
https://www.un.org/press/en/2021/sc14430.doc.htm
こちらを読むと最後から3番目のパラグラフで2月1日にASEAN(東南アジア諸国連合)の議長声明を歓迎するとの言及があります。地域国際機構としてのASEANの重要性を読み取ることができます。国際機構としてのASEANはFTA等の自由貿易協定の動きに注目されがちですが、政治安全保障においても一定の意義、とりわけ、国際社会からの完全な孤立化を避けるという意味があります。
かつての軍政下のミャンマーは、「鎖国」状態ともいわれましたし、民政移管後とは異なる世界でしたが、民政移管よりも前の1997年にはASEAN加盟を承認しています。2005年までミャンマー問題国連特使をつとめたマレーシア人のラザリ・イスマイル氏は国連という立場ではあるものの、ASEAN構成国のマレーシア人出身であることも、ミャンマーとの一定の対話チャネルを形成したことの一要素でしょう。(ミャンマー側窓口が国際協調派キンニュン氏だったという事情も大いに関係しています)
ASEANは緩やかな紐帯で結ばれているという側面のある組織であり、その緩やかさゆえに機能していない、意味がないとまでいう人がいますが、過去を冷静に振り返れば、東南アジアの多種多様な国があつまるなかで、時に、特定国が国際社会からの孤立化のリスクが高まる局面で、土俵際でつなぎとめる役割を果たすこともあります。ASEANが解決することは、このレベルのハードシップのある問題については非常に困難ですが、「土俵際でつなぎとめる」という点に重要な意義があります。
それゆえに、今回のミャンマー情勢も国際組織としてのASEANという視点と、構成10か国の動きもよく見ていく必要があります(特にマレーシア、フィリピン、インドネシア、シンガポール)
ただし、経済制裁については、常任理事国の中国、おそらくはロシアも反対するので、決議は通らない可能性が非常に高いです。
国連の制裁は、安保理の政策オプションの中で、もっとも強いものの一つ。制裁のためには安保理決議の採択が必要。これは中国が拒否権を行使するだろうから現実的ではない。むしろ中国がいる安保理でも「深い懸念」を全会一致で示せたことがミャンマーにとって圧力になる。
米国や欧州は、独自の制裁を課すことができる。ジェイク・サリバン国家安保問題担当大統領補佐官は、制裁について、議会の超党派の合意があると述べている。ただし、単純に制裁を発動すればいいという話ではない。ミャンマーの軍政は中国を頼るだけだ。
いま必要なのは、米国などの強力な経済制裁という刀に手をかけ、すごみをきかせつつ、「そんな馬鹿なことはやめてだな」と対話に持ち込むこと。
アメリカは、ミャンマーとの軍政と対話ができていない。
軍政と話ができるのは、ASEAN、中国、そして日本である。安保理報道声明ではASEANに言及があり、サリバンもASEAN諸国の駐米大使と電話会談をおこなった。
いま安保理には非常任理事国としてベトナムとインドが席を持っている。ベトナムは去年のASEAN議長国だった(今年はブルネイ)。菅政権の初の外遊先も、ベトナムである。そしてインドは日米豪印のQUADのひとつである。
米国など強力な制裁をちらつかせつつ、ミャンマーの軍政に「そんな馬鹿なことはやめてだな」とASEANや日本が粘り強く交渉を進めていく必要がある。
Security Council Press Statement on Situation in Myanmar
https://www.un.org/press/en/2021/sc14430.doc.htm
ASEAN Chair’s Statement
https://asean.org/asean-chairmans-statement-developments-republic-union-myanmar/