NYタイムズ契約者、4割増 752万3千人、電子版好調
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NYタイムズは、2020年4~6月期の四半期決算で購読料と広告料を合わせた売上についてデジタル関連が紙媒体を超えており、全購読者のうち60%以上が電子版有料会員です。
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20200806-OYT1T50201/
紙媒体では不可能な数字(4割増)をデジタルで実現出来たのは、記事中にも出てくる通り8年がかりでデジタルシフトを推進してきた成果であり、2020年2月には2ドルの値上げをしていてそれでも会員数が増えています。
https://www.asahi.com/articles/ASN575R2DN57UHBI010.html
もちろんこれらの数字は選挙やコロナに後押しされたものであると思いますが、こういった追い風をきちんと推進力に変換できたのは来るべき時代に対して準備していた結果なのだと思います。
注目のコメント
10年前には身売りが噂されたNYタイムズのDXの起点となった社内文書が2014年にまとめられたイノベーション・リポート。メディア業界だけでなく、DXに取り組む全ての業界の参考になると思って、以前、連載にまとめました。
https://note.com/masurakusuo/m/m72b6dbabc36b
NYタイムズが素晴らしいのは、コンテンツの出し先を紙からネットに変えるだけの小手先のデジタル化ではなく、デジタル技術によって、最高品質の製品を最高のUIで届けるという本質的なDXに取り組んだことです。
今ではデータ分析も、ビジュアライズも、動画も世界最高品質。これを4週間15$で読めるのは日本のサブスクサービスと比較すると安価。NYタイムズの社内文書といわれるInnovation Reportが出たのが2014年。
デジタルに対応する必要性、変革のための優先順位、あるべき社内構造まで語られた、「DXの教科書」のような読み物です。
メディアに限らず、どの業界でも参考になるはずです。大統領選の盛り上がりが強く影響しているとは思いますが、それにしてもこの増え方は素晴らしいです。日本では唯一順調だった日経電子版も足踏みが続いています。ただ、トランプ台風が去った後の反動は確実にあると思います。そこをどう乗り越えるかもお手本として示してほしいです。VRの活用や、結果的に誤報となってミソをつけた形のポッドキャスト、今日本で大盛り上がりののclubhouseなどの可能性もさらに追求してほしいです。独り勝ちではなく、成功体験の共有を期待します。