ロビンフッド、既存株主から24億ドルを追加調達
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ロビンフッドは当然金融ビジネスなわけですが、留意すべき2つのポイント:
1)バランスシート・リスクマネジメントが不可欠
2)新興企業として急成長を支える投資マネーの深さが不可欠
手数料ビジネスだからバランスシートを使わないわけではないのでしょう。未上場ですので詳細は不明ですが、詳細な開示があればみてみたい。
既存株主から24億ドル(2500億円)とありますが、さらっと書いていますがこれとんでもない金額です。2020年の日本のスタートアップへの累計投資額が4600億円ですから、その半分以上に相当します。
設備投資や運転資金などバランスシートの拡大を伴うビジネスをスタートアップ発で創造していくには、日本のエコシステムももう一段のアップグレードが必要なのでしょう。「今回の資金調達は規模拡大につながり、われわれが見てきた驚異的な成長とプラットフォームへの需要を満たす」と強気の発言の裏には何があるのでしょう。
上場前の順調な大型調達にはみえません。保証金の積み増しではないでしょうか。ゲームストップのトラブルにロビンフッドは窮地に立たされているようにみえます。
既存株主は一蓮托生。ロビンフッド株を安い価格で買い増してなんとかこの場を乗り切り、上場にこぎつけようという算段では。この資金調達はGMEなどのハイリスク取引が増えたため、決済機関DTCCが預託金を何倍も上げたことを理由にしていたと思います。しかし未だに買い注文に制限をかけており、その結果GMEは下がっています。制限がなければ上がる可能性もあるので、個人投資家から利益の機会を奪っており、ショートをしたヘッジファンドが得をしています。これは株価操作ではないのかという疑問に対してロビンフッドは、SECやDTCCのルールに従って制限していると説明しています。
しかしこの説明には不可解な部分があります。個人投資家はコールを買っているので、そのプレミアム料金を先払しているはずです。リスクどころか、支払いがロビンフッドに山程はいってきていると思います。確かに個人が株を買った場合、決済前に暴落したら支払いが滞るかも知れませんが、それは個人投資家からの保証金を増やせば済むことです。ではどこにリスクがあるかというとショートサイドです。ショートセラーは株をレンタルする際に担保として現金を預けていますが、株価が急騰したので担保金の追加を求められているはずです。そのためショートポジションをクローズするか、担保を増やすかの選択しかありませんが、余りにも株価が上がると現金がなくなります。そうなると株をレンタルしたETFやインデックスなどの元の所有者に株が戻ってこないリスクも発生するのではないでしょうか。SECも含めて業界は、この業界全体へのリスクを察知して、買い注文の制限をしたのでかも知れません。
仮に空売りを守るために制限をかけているのであれば、ヘッジファンドは無茶苦茶なリスクを取ったにも関わらず、失敗しても責任を取らなくてもよいという事になりませんか。そもそも一般投投資家がコール買いも含めて買い注文を出している理由は、それだけヘッジファンドが無茶な空売りしたからです。空売りした分の価格がどうであれ、市場で買い戻してもらうのがルールです。前回の金融危機ではToo Big To Failということで税金を投入して金融機関を助けたわけですが、今回は本来ヘッジファンドから一般投資家に資産が移行するところを、「合法」の株価操作でその移行を阻止していると疑われても仕方がないかも知れません(ヘッジファンド同士の戦いでも)。