ファイザーが国内治験データ提出 厚労省、2月15日にも承認へ
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日本の医薬品の審査は米国の比較で「時間がかかる」ことが知られ、その理由として、専門性をもった人員が少ないことと言われますが、政府の医療費を上げたくない姿勢(日本は国民皆保険)も推定されます。審査にかかる日数の短縮は以前から「課題」として掲げられていますが、「目標として1年以内(優先的なものは9か月以内)を目指す」としていました。今回は「2週間で完了」させたいということですので、政府職員を含む関係各位が「いかに裏方として動いているか」がわかります。異例中の異例、前例がまったくない措置であることは間違いありません。
海外で実績のあるものに対して、日本で試験を行う必要性があるかについては、先進国が共同参加で制定したGCP(Good Clinical Practice)という手順に則る必要があるとしか言えません。実際に人種差による特に副作用(ワクチンでは副反応)が問題になることがありますし、その程度も、頻度も、医薬品の性質上最終的には「投与対象に使ってみて様子を見ないとわからない」としか言えません。
臨床試験の簡略化とリスクの増大は相関関係にあります。日本の「薬事承認」は、リスク回避重視だと言われていますが、今回は事態を反映してのこととは言え、その雰囲気はまったくみられません。
医薬品の臨床試験は、効果が推定される「医薬品候補」を使い有効性の確認はもとより、副作用が現れる可能性の早期発見の目的で実施されます。副作用が出たときの悪影響(重大さ、被害人数の多さ)が少なくなるように、「動物→健常成人男子→少数の患者→多数の患者→特殊な患者(乳児、幼児、小児、妊婦、高齢者)」の流れで行われます。健康被害が出た場合の影響度を最低限に抑えることを踏まえてデザインされています。
「政治がやりたいこと」とは独立した「専門家による意見・判断」が必要と認識されている方は多いと思います。新薬の承認プロセスはそのような手順を踏まえるための「砦」ですので、緊急性の程度にもよりますが、ここをスキップして「政治決定通りの認可を出すべき」とまでは思いません。ここにもバランスが必要です。日本では年間120万人以上の高齢者が亡くなります。仮に4月から3ヵ月掛けて全ての高齢者に接種したら、その間だけで30万人の高齢者が死ぬわけで、接種直後に亡くなる方も多いはず。
ワクチン接種が始まると、因果関係不明のまま「接種直後に○○人死亡」というニュースが躍り、ワクチンの怖さが強調されて、特例的に承認した厚労省と政府を批判する声が高まりそう。残念ながらそれが日本の現実で、だからこそ、合理的な基準をもとに判断出来る安全に止まらず、“安心”を求めて厚労省が慎重になる側面がありそうに感じます。
諸国と比べて余りにも遅いとはいえ敢えて承認を早める今回、その種の無責任な報道と混乱を防ぐには、そうした事態が起きる可能性を予見して、因果関係を冷静に捉える目を養っておくことが肝要であるように思います。当局とご関係の皆様の頑張りに期待です。(^.^)/~~~フレ!良い情報です。
安全性は最も重要な指標であり、健康な人に重篤な副反応が出ることは防がなければならないため、国内でも審査が進められています。
まずはワクチンの承認が行われ、大きな一歩となりましたが、数量の確保。流通の問題、接種体制の問題などまだまだ課題はあり、政府、企業、医療従事者など多くの皆さんがが身を粉にして働いてくれています。
一刻も早いワクチンの普及が求められます。