コロナ入院拒否の刑事罰削除合意 過料半額に、2月初旬成立目指す
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今回の罰則導入について、大きな懸念を示していた者として、修正されたことは望ましいと思います。しかし、役所と国会で多くの法律案の作成に携わった経験から、今回の修正には、大いに違和感を覚えます
理由は
①政府が慎重な検討の上、反対があることは当然想定した上で、政策として「どうしても必要であり、これがベスト」と考えて提案したはずの法律案の、しかも、肝となるはずの部分を、容易に撤回することの危うさ
②罰金を過料に切り替えたとしても、こうした罰則導入の深刻な問題点は、依然として残っっていること
① について
今回、国会での議論の前に、与党がさっさと修正に応じたのはなぜでしょうか?予想以上に、世論の反対が大きかったから?それとも、国会で、強い抵抗が予想された野党に花を持たせ、妥協を引き出すために、敢えて高めの球を投げただけ?
どちらも、よろしいことではない、と思います
今回の法案は、議員立法ではなく、極めて高度の緻密さ・厳格さが要求される閣法です。関係省庁が法案を作成し、内閣法制局の審査を受け、「政策を実現する手段として当該内容が適当か、憲法に適合しているか、他の法制度と調和が取れるか」等について、詳細かつ多角的に検討し、これが必要かつベスト、との判断の上に、政府が提案してきているもののはずです。
それを容易に撤回するのであれば、「そもそも、政府の判断なんて、いい加減なものなのだな。本当は絶対に必要というわけでもない負荷を、国民に押し付けようとしていたんだな」となり、政府の判断や、政府そのものに対する国民の信頼が、大きく損なわれることになります
『真に必要なもの、国民のためになるもの』であるならば、たとえ、反対があったとしても、(適正なプロセスを経て)実現・実行するのが、国と国民を守り、その未来にしっかりと責任を持つ政府の姿、というものでしょう。本当は必要でないのにやろうとしたのであれば、過剰な公権力の行使ですし、本当は必要なのに撤回するのであれば、国民を守るつもりのない無責任ということになります
② について
憲法との関係、本来の法の趣旨との齟齬、苦難の歴史を踏まえ公権力による人権制限は抑制的であるべき等、今回の罰則の問題点については、字数の関係で、下記をご参照ください
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/79764
注目のコメント
当然だと思います。入院したくてもできない国で、入院を拒んだら懲役刑というのは、いったいどこの国の話をしているのかと思います。どれほどの数の入院拒否があり、それがどれほどの悪影響を及ぼしているのか、という基本の基となる立法事実も明らかにされていません。日本のコロナ対策の稚拙さを象徴しているように思います。それと、知事会の要請を錦の御旗にしていますが、やや事実にずれがあると思います。そもそも法律は政府の専権事項であり、知事を理由にすべきではないと考えます。いくらかなりとも意味があるとすれば、コロナ禍が終わっても、またすぐ次の感染症が出てくると思われる中、その時に向けた議論の土台になるかも知れません。
どうしてもスピード成立させなければならない法案を与野党協議にはかる場合、政府・与党側は「のりしろ」を用意します。あえて無理のある高めのハードルを潜ませて焦点化させ、難航を演出したうえでそこを譲歩し、一気に合意にもっていくというテクニックです。今回は「難航」かどうかわからないうちに刑事罰削除で一気に合意しました。感染症法の前文をご覧になったらわかると思いますが、刑事罰はさすがに無理筋だと私は思っていました。なおほかの罰則についても賛否がわかれると思いますが、与野党合意でより幅広い政党が責任を負うということは、一方的に突っ走るよりはよほど良いことだと思います。
結局、謎の政治・憲法論にかき乱され、感染症の危険性の本質である
「他者を害する・殺しうる病」
について一切考慮のないままこんな終わりかたとは唖然とする他ありません。
感染者は望まないままに飲酒状態で車を運転している様なもので、容易に被害を広げうる事になります。
メディアには一切、コロナ下における医療の味方とは思ってすらいませんが、せめて政治はまともであってほしかったと願っていましたが残念です。
他国ができる感染対策が、日本ではできない。
医療従事者やハイリスク群を犠牲にする結果とならなければいいのですが…