積乱雲の80km圏内を30秒間隔で観測!日本無線の次世代フェーズドアレイ気象レーダー
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画期的なニュースです。従来のレーダーは、ざっくりというと「線」で感知していたので、高さのある積乱雲の全体をつかむためには、ぐるぐる回転しながらレーダーの首の角度を変えていかければならず、時間がかかっていました。しかしフェーズドアレイ気象レーダーなら「面」なので、少ない回転数で雲の全体がつかめるんですよね。だから実用化されてたくさん導入されれば観測が素早くなり、予報も早くなるというわけですね。
単体の積乱雲からの大雨は予報が難しく、降る前の予報はせいぜい10分前程度でした。しかし、このレーダーが導入されれば、もう少し早く予報できるようになると思います。フェーズドアレイレーダーは、イージス艦の艦橋部分についているあのレーダーのことです。数多くの目標を同時にとらえられるのが良いところで、すでに軍事面では多く採用されていることは知られているとおりです。
これを気象レーダーにも応用できるのではとして、10年ほど前から試作・研究が各機関で進められていて、国内メーカーでは東芝とこの日本無線が主要なフェーズドアレイ気象レーダーのメーカーとなっています。
日本無線も6年ほど前から千葉大学と提携してこのレーダーの研究を行っていましたが、いよいよ実用化のめどが立った、ということだと思われます。
このタイプのレーダーについては、すでに東芝が偏波型のレーダーを完成させており、東京オリンピックでゲリラ豪雨による被害が出ないよう、雨雲の監視網を作るということで内閣府の戦略的イノベーション創造プログラムになっています。日本無線がどういった面で存在感を出してくるのかに注目です。