炭素繊維メーカー各社、コロナ禍の航空機に代わる新需要開拓へ
コメント
注目のコメント
①の東レの炭素繊維複合材両事業の説明会資料がとても分かりやすい。
記事と併せて解説を加えていく。
・炭素繊維は、PAN系とピッチ系という2種類が大きくある。PANはポリアクリルニトリルの繊維を高温で炭化したもの、ピッチ系は石油の残渣のピッチというものを糸状にした後に同様に炭化したもの。
・記事の「ラージトウ」「レギュラートウ」というのはPAN系のなかでの酒類で、糸(フィラメント)をどれだけまとめたかというもの。ラージトウは4万本以上とされているが、②をみると特徴としてはラージトウのほうが安価で、レギュラートウのほうが特性が良い(だから記事のラージトウが足りないのでレギュラートウも使うというのは「もったいない状態」)
・スライド7:ラージトウの需要の過半は風力発電用。航空宇宙はレギュラートウの1/3くらい
・スライド3:東レはPAN系に強く、同社推定ではレギュラートウ・ラージトウではそれぞれ約半分ずつのシェア、そして炭素繊維全体でも約半分(残りはピッチ系が中心だと思う)を占める。
・スライド20:2028年まで+8%/年の成長率を見ていて、ZOLTEK(2013年に買収)が風力発電用途の6割シェアを有する。顧客という点では、Vestasとの関係が深い。
①https://www.toray.co.jp/ir/pdf/lib/lib_a559.pdf
②https://www.carbonfiber.gr.jp/tech/faq.htmlCFRP適用の裾野が広がっていますね。
軽くて強くしたいのは、どんな製品でも同じだと思うので、嬉しいことです。
航空機向けの場合、単純に新材料を開発したからといってすぐに適用できるわけではなく、航空局による材料の認定が必要になります。
この材料認定には数多くの試験の実施が必要で、かなりコストもかかるため、航空機用材料が高額な要因の一つだと考えています。
最近の個人的な興味としては、「空飛ぶクルマに適用されるCFRPにはどの程度の材料の認定が要求されるのか??」ですね。