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しかし、米国は、これまで一つの中国の原則を破ったことはありません。トランプ政権も、一つの中国を否定していません。トランプ政権が蔡英文総統を支持したのは、蔡英文総統が独立を求めていないからです。米国は、台湾民進党が独立を宣言するのを牽制します。
米国は、中国に対して軍事的にも配慮を見せています。米海軍の艦艇が台湾海峡に入るたびに中国が反応したと報じられますが、米国は空母を台湾海峡に入れたことはありません。1996年の台湾海峡危機においても、空母は台湾に接近しただけで台湾海峡には入っていないのです。
米国は、中国と衝突したい訳ではないでしょう。バイデン政権であれば、なおのこと、中国との全面対決を避けたいと考えるかもしれません。単なる要求だけではなく、バイデン政権がどのような行動をとるかを、中国はよく観察しているでしょう。
鈴木さんも言われている通り、対中強硬政策は超党派コンセンサスで、議会では「議論なき同調」とまで言われていますから。
バイデンさんは(トランプさん以上に)人権問題を訴えるでしょうし、各国協調路線への変更によって日本にも共同歩調を取るように言ってくるでしょう。
「政治はアメリカ、経済は中国」の日本は難しい立場に置かれるかもしれません。
田中角栄首相時代の日中国交回復時の共同声明で、「中国の正式は政府は一つ」であり、「台湾は中国の領土」であることを日本は理解、尊重するという立場になっていますから。
https://news.biglobe.ne.jp/international/0123/ym_210123_1905868106.html
ということで、いきなり牽制を仕掛けてきていますが、台湾国防部によると、
https://www.mnd.gov.tw/PublishTable.aspx?Types=%E5%8D%B3%E6%99%82%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%8B%95%E6%85%8B&title=%E5%9C%8B%E9%98%B2%E6%B6%88%E6%81%AF
中国による領空侵犯は文字通り(ほぼ)「毎日」ありました・・・。
ただ、23日の領空侵犯では、常連の「Y-8(運8)」だけでなく、「H-6(轟-6)」が8機、「J-16(殲-16)」が4機と、普段こない機体まで来ています。
正直、この動きに対して声明だけでは弱すぎる気がします。海峡に空母派遣くらいしていただかないと。
米国政府の声明としては、従来からの方針を堅持し、同盟国と共に台湾を含めた「インド太平洋の繁栄と安全と共有された価値」を守っていくことが明確に述べられています。何か新しい施策が打ち出されているわけではありません。
https://www.state.gov/prc-military-pressure-against-taiwan-threatens-regional-peace-and-stability/
従前のように、民主党政権=親中国という構図はあり得ないのは、今の中国を客観的に見れば分かります。
だからといって、日本がボーッとしていてアメリカの庇護を受けられると思うのも、また時代遅れな感覚だと考えます。
ロシア、中国と強権的な政権が支配する2国が共に海を挟んで至近距離で対峙している日本は、台湾との政治的距離を今後どのようにしていくかは、単にアメリカに追従すれば良いものでもないはず。
難しい舵取りが続きます。
そもそも台湾はもう半導体産業がやばすぎる、米国も本腰を上げる理由ができつつある、日本の役割はどうする
防衛も産業も込みで
https://mainichi.jp/articles/20210117/k00/00m/030/055000c