WHO、ファイザー製ワクチン調達合意 2月に低所得国で接種開始
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ここ最近でパンデミックへの好影響が最も大きいと考えられるニュースを選べと言われたら、米国のCOVAXへの参加検討とこちらのニュースではないかと思います。
パンデミックの収束には、国境にとらわれない感染対策とワクチンの普及が必須であり、国際的な協力と世界的なワクチンの同時並行の接種が鍵になると考えられます。
現場でのロジスティクスなど乗り越えなければならないハードルはまだ高いと思いますが、着実な一歩です。製薬企業の社会的責任を考えると望ましい判断だと思います。世界的な感染拡大にも好影響です。このような仕組みとして、HIV治療薬のケースでは、先進国では高額でしか販売されない治療薬を、貧困国では驚きの安値で供給しています。製造原価が低いから可能になる仕組みです。研究開発コストは貧困国の売り上げからでは回収できませんが、先進国の国民への売り上げから回収しますし、製薬企業にとっては、社会貢献が認められ、そのことを世界にアピールできます。ほぼ「全方よし」になります。
しかし、今回のケースは、当面「全方よし」とはいきません。どの国もワクチン早期供給を望み、そのために国家自身が多額の税金を使い、製薬企業に供給契約を結んできました。国は、ワクチン入手を国民に約束しており、時期も含めて成果が問われるとなると、どうでしょうか?
現段階でワクチンは取り合いの様相です。国民がワクチンの入手が遅れることを問題視し、政府が供給遅れを理由に製薬企業に違約金を請求するなどということになれば、製薬企業は貧困国への製品供給は後回しにするでしょう。そうなると、COVAXの枠組みは崩れます(研究開発費が回収できません)。国民もワクチンの供給が遅れることを、政府の責任とせず、経済が影響を受けても、騒ぐのをやめ、気長に待ちましょう。・・・という試練がここには課されています。
最近報道されだした、世界的な「ワクチンの供給の遅れ」に、COVAXが関連していないとは言いきれません。貧困国へのワクチン提供は大変重要なことですが、実効性は「全世界の国民」が協力しあえるか否かにかかっています。医療のあるべき姿であり、所得や階級に関係なく必要とされる人々に公平に提供されるスキームはすばらしい。そしてそれに賛同して営利関係なく協力するファイザーもまたすばらしい。
困った時はお互い様な日本の良き文化は残念ながら国際的な協力では活かされることが少ない。