【共同発表】蚊の匂い受容体で呼気診断!? ~蚊の嗅覚受容体を用いたセンサにより0.5ppbレベルの匂いの検出に成功~(発表主体:大学院情報理工学系研究科)
東京大学生産技術研究所
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これすごい。蚊の匂い受容体、すなわち生物が持つ匂いセンサをそのままデバイス上に実装した結果、濃度0.5ppbだけ混合した成分の検出に成功している。0.5ppbは0.00000005%なので、混合量は二億分の一ということ。
蚊の嗅覚受容体は特定分子と結合するとイオン透過孔を開くようで、ここに流れるイオン電流を計測すれば、1分子単位の計測もできる。同じガス計測で、質量分析計だと百万分の一くらいが限界。つまり超高感度。
あとは選択性もすごい。空気中には1cm立方あたり10^19くらいの色んな分子が存在するが、この中から特定分子だけを検知する。一般的なガス検知器は選択性があんまりなくて、同じようなガスを一緒くたに検知してしまう。無害なガスが干渉して発報することも多く、工場とかですごく困る。
地味にすごいのがデバイス構造で、匂い分子を効率的に水に溶かしこむよう工夫されている。撥水コートすると表面自由エネルギーが小さくなって、濡れにくくなるので、結果的に微細スリット内部には水が侵入しなくなる。この空間に匂いガスを流すことで効率よく撹拌できるらしい。生物にもこんな構造があるんだろうか。
とりあえず他の匂い受容体をくっつければ他ガス分子も検知できるようになるだろうし、記事にあるように並列化すれば単純に信頼性は上がるんだろう。これも、ウェハ上に一括成形すれば大量生産できるので、あとはアプリケーションがあるかどうか。
とりあえず記事中で測定されてるオクテノールは肝臓がんに関連すると考えられてるみたいですね。