新型コロナワクチン接種後の死亡者が増加-ノルウェーの高齢者
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「新型コロナウイルスのワクチン接種後に死亡した」ことは、必ずしもワクチンが直接的な原因となったことを意味するわけではありません。
接種対象者となっているケアホームの居住者は、ワクチンにかかわらず1週間で平均400名程度が命を落とすとノルウェー当局から報告されています。そのような報告を知ると、少し立ち止まって考えられるかもしれません。
例えば、ワクチン接種後の帰宅途中に不運にも事故にあって命を落とした例を考えてみてください。このケースもワクチン接種直後に命を落としたことになりますが、ワクチンの副反応で死亡したと考える方は誰もいないはずです。
ただし、ワクチン接種後に高熱が1日や2日出現する例は珍しくないため、若者ではそういった高熱がなんともなくとも、高齢者では持病の心臓や脳の疾患に悪影響を与えるという可能性は考えられます。このように、例えばワクチンの副反応が間接的に影響した可能性は十分考えておく必要があります。
今後もこのようなケースを慎重に蓄積し、分析していくことは極めて重要です。実際に、米国や英国でも同様のケースがないかの調査や分析が開始されています。
なお、ノルウェーからの医学誌BMJへの報告では、“There is no certain connection between these deaths and the vaccine.”(死亡とワクチンの関係は明確ではない)とされていて、このBloombergの報告とは食い違います。
早合点して、ワクチンで死亡者が多数出た、と因果関係について扇動するSNSでの拡散が目に浮かびますが、冷静に解釈する必要があると思います。
引用文献:https://www.bmj.com/content/372/bmj.n149Bloombergの記事がややミスリーディングだと思えるのは、おおもとの報告では『フレイル(frail)』であることを強調しているのに対し、単なる『基礎疾患の高齢者』であることしか書いていないことです。
フレイルとは、『加齢により心身が老い衰えた状態』です。
一般的な高齢者以上に、もともと亡くなる可能性が高い状況といえます。
ノルウェー当局は、老人ホームの入所者の予防接種を優先しています。
その多くは基礎疾患を持つ”超”高齢者であり、中には末期の患者もいらっしゃるそうです(山田先生が引用されているBMJの記事より)。
ですので、新型コロナワクチンで亡くなっているかどうか不明ですし、もともと、ノルウェーでは老人ホームの入居者のうち毎週約400人が亡くなっています。
今後の調査は必要でしょうけれども、まだ『なんともいえない』情報でしょう。