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今やただマーケティングで環境やサステナビリティを謳えば良いだけの企業ではなくなり、本業でのコミットメントが求められる。名和先生のお話をきいて、さらにその確信を深めさせられました。
---以下本文記事より引用---
日本も海外も無形資産を大事にしていることは共通なんですけども、日本は「匠」を、海外は「仕組み」を多用しています。
「匠」はみんなの創意工夫です。まさに匠の世界で、日本の現場が最も得意としている力です。だけども、これは深いのだけど、スケールしにくい。
一方、海外は「仕組み」に落とすのが、とてもうまい。中国やインドも含めて、スケールとスピードが圧倒的にうまい。
しかし、一皮剥くと、割と当たり前のことしかやっていないし、標準化してしまう。つまり、仕組みに落としてしまうと、匠の深さが出ないのです。
いかに消費者の意識を醸成するか、それがポイントではないかと思います。
>買われなくなるリスクが増えている。消費者市場から背を向けられてしまうわけです。
ま、シーメンスは経営陣がオジサンに偏っている、いわゆる「男子校問題」を抱えているようにも見えますが。
グリーンウォッシュ問題はESGに限らないでしょう。何をやるにせよ会社/経営陣が「言行一致」かどうかは消費者や投資家は常に気にして一挙手一投足を見ているものです。
ジョンソン・エンド・ジョンソンのクレドは半世紀以上前につくられてきたものですが、社内憲法、社員のDNAにまで昇華していてスゴイなあとJ&Jの方たちを見ていると感じます。
これまでESGは精神としては素晴らしいけどカネにならないと思われていましたが(とりわけ日本では強かったと思いますが)、いまは何より消費者や働き手がそういった大義や共感を求めていますし、背を向けていたら商売上がったりになりかねません。
日本にいると感じにくいですが、ヨーロッパへ行くと消費者のマインドセットにESGが染み付いていることを目の当たりにします(ま、多くの矛盾も気になりますが)。
「不織布マスクは使い捨てで環境に負荷をかけるからマスクはしないんだー」とスウェーデンの子供が言うのも是非はともかくとして浸透している証左です。
二の足を踏んでいる企業に姿勢の転換を求めるためには投資家(資本市場)が企業に直接働きかけるのが一番いいんですが、そうしたうねりが短期間で大きくなってきたことは有意義だと思っています。
ESGに盲目的になりすぎじゃない??という指摘は当然あるんですが、いまは過渡期ゆえに出来損ないで生煮えの投資基準や開示ルールであふれています。私はこれも徐々に洗練されてくるものとポジティブにとらえています。
例えば若者をターゲットにする中で完全にエシカル消費を無視することはできないですよね?保険会社などの機関投資家は年金受給者の意向を無視することもできず、また、資金調達をする企業は安定的な長期資金の出し手である機関投資家の意向を踏まえた方がビジネス上得策です(いい顔をするためとかではなく)。
要するに、「危ない」というよりは、世界は一つで繋がっているのでビジネス面でESGのコンセプトを避けるのが得策ではなくなってきているということです。そしてそれが株主利益とも密接に関係すると思います。因みにESGは対外的な話ばかりではなく自社の従業員の待遇などにも重きが置かれています。
右手に志、左手にDXで日本は世界をレスキューできます。