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企業がカーボンゼロに向けて舵を切っていくことは、世界的な競争に勝っていくための、成長戦略の一つになってきていますしこれ自体は大賛成です。
ただ、記事にある「企業の預貯金の240兆円が全て投資に使える」という印象を与える内容については違和感があり、私の実感と比べても大規模な企業にそこまで潤沢な、投資に向けられる余剰資金があるとは思えないのです。

法人企業統計を分析すると、大企業(資本金10億円以上)に77兆円、残りの約160兆円は資本金10億円未満の中堅・中小・零細企業という内訳です。
また、当然ながら企業には日々の運転資金が必要であり、それは240兆のうち180兆円くらいと推定され、(運転資金以外の)残る資金は60兆円弱すなわち1/4程度となります。
そしてそのほとんどは大企業ではなく、中堅・中小・零細企業にあると思われます。

法人企業統計の別のデータでは、アベノミクス期間中(13~19年度中)、大企業は209兆円の純利益を挙げていますが、配当金に110兆円回し、投資有価証券の株式(M&A投資)を72兆円、有形・無形固定資産(設備投資や営業権など)を27兆円増やしており、逆に投資のための不足分を社債や金融機関借入で60兆円の資金調達をしています。

要するに、新規投資に振り向けられる原資が本当に240兆円あると言えるのかどうか、どこにどういう用途で存在するのか、まずファクトの確認が必要であり、マクロではなくミクロの実態に合った政策、戦略が必要です。欧州や米国の巨額のグリーン関連投資を考えると投資規模とその配分は極めて重要であり、昨今の内部留保、現預金残高、投資意欲不足という言葉が実態と離れてしまっていないかまずはしっかり確認しておきたいと思っています。