Jパワー、石炭火力を重油で緊急再稼働 電力逼迫で
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注目のコメント
理論的にはできないわけではないと思いますが、実際にあり得るとは思いませんでした。今はこの量でもありがたい・・電源開発さんの英断に感謝します。
大場さんが指摘されている通り、この松島火力は、昨年から経産省が進めている「低効率石炭火力2030年までに廃止」の対象。でも、今の段階では、本当にあって良かった・・。
Jパワー、非効率石炭火力 2030年までに廃止・建て替え
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65686280Q0A031C2TJC000
LNGの調達が世界的に難しくなっている、
原子力は止まったまま、
多くの太陽光は雪の下(今日の九州地域では結構発電してくれたようですが、需給が一番ひっ迫する19時には残念ながら貢献ゼロ)
https://www.kyuden.co.jp/td_power_usages/pc.html
風力は「冬に強い」とも言われますが風が強すぎてもダメ(今日の東北地域は、太陽光も風力もかなり低調だった模様)
https://setsuden.nw.tohoku-epco.co.jp/graph.html
要はカンペキなエネルギー源はないので、多様な手段と余裕を持つことが必要です。平常時には、それは「無駄」と言われますが。
なお、こういうピーク時に稼働することが期待される石油火力ですが、高コストと環境性の問題からここのところほとんど使われてきませんでした。そうなると発電所が保たれていたとしても、燃料調達のサプライチェーンが細ります。
電力全面自由化の前の2016年度末と2019年度末で、原油と重油の年度末在庫を比べてみると、両方とも二桁減です。容量市場によって、発電所の維持費用を回収できたとしても、こうした燃料調達に関わるインフラは燃料費の中で賄われるので、消費量(発注量)が減ると維持できなくなるので、例えば例えば、備蓄基地から発電所に燃料を運ぶ内航船の数も相当減少しています。
自由化するときに、こうしたサプライチェーンの維持も含めて課題認識をちゃんとしていたんですかね?当時の議論から、ちゃんと検証すべきだと思います。というあたりを書きました↓
http://ieei.or.jp/2021/01/takeuchi210111/"停止中の発電所は石炭をくだく設備が故障している"
これが停止理由でしたか。
もともと50%の重油混焼を行えるよう設計されたものなので、重油供給のシステムはあるはずです。一般に重油より石炭の方が燃やすのが難しいので、理屈上はできるかなという気がしますが、あまり聞いたことがありません。それだけ需給がひっぱくしているということでしょう。
石炭専焼ボイラなので、着火用の重油となるとA重油かも知れません。
歴史的には、石油火力を減らすために石炭率をあげてきたという歴史があるので、その歴史の逆をいっていますね。
HJKS(Hatsuden Joho Kokai Shisutemu)
https://hjks.jepx.or.jp/hjks/outages
によれは「石炭系統不具合」「ボイラ関連設備トラブルによる」とありますがよくわからないですね。
石炭ミルは昔のタイプはバネで力を調整していたため、異物混入等があるとしばしば破損していましたが、最近はもっと動的な制御を行って、殆ど故障することはなくなっていたと聞いていました。(松島は旧型のままの可能性もありますが)
この松島火力は、1981年運開の日本で初めての輸入炭による超臨界石炭専焼火力で、現在の日本の石炭火力のさきがけとなったプラントです。
昨年から経産省が進めている「低効率石炭火力2030年までに廃止」の対象とされています。
Jパワー、非効率石炭火力 2030年までに廃止・建て替え
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65686280Q0A031C2TJC000
今回の緊急稼働で方針の見直しがあるのでしょうか。
追記
NPで脱炭素特集がされているのがタイミング悪いのは否めないですが、昨年から企画されていたでしょうし、私も現在は脱炭素の仕事ばかりやっています・・・。頭が切り替わらない笑
なぜこんなことになったのかについての政策的な分析は(有料ですが)↓で書いたので、モシそういうのが好きな人は読んでみてください。
LNG火力依存世界一のニッポンの電力危機
https://newspicks.com/news/5529032
追記2
J-Powerの人に聞いたら、過去にも石油だけでの運転の実績があるようです。備えあれば、ですね。そこらじゅうで緊急ですね…
2021年は混乱の年始めですが、ひとりひとりが社会情勢をキチンと把握しながら、考え行動しないといけない事態。
デジタル時代で最も重要な電気。原発再稼働に向けて発進せざるを得なくなってくるかもしれません。