スペースジェット、開発凍結後初の失注 米エアロリース最大20機
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「一旦立ち止まる」というある意味衝撃的なワードをぶっ込んできた三菱スペースジェット(旧MRJ)の開発凍結発表は、昨年10月30日のことでした。今回のキャンセルは開発凍結後では初の失注です。
エアロリースとの契約は、確定発注10機とオプション10機の最大20機。確定発注は通常、契約が履行されないとペナルティが発生します。オプションは平たく説明すると仮発注で、確定発注と同じ価格等条件で後から発注できるというイメージのものです。なので、三菱として売上が確実に見込めたのは10機です。
ちなみに日本の報道機関ではロックトンという会社の「基本合意(LoI)」も受注数に入れているところもあるようですが、これは契約に向けてテーブルについた程度なので、本来受注に入れるのはおかしいです。ボーイングやエアバス並みに「確実に商談が決まりそう」というなら別ですが、お察しの通りです。
スペジェーは技術的に課題があったのは致し方ない点もあるとしても、ANAにもJALにも10月末時点で今後のビジョンをしっかり説明していない三菱重工の対応にはかなり驚きました。民間機のビジネスではあり得ない対応で、このまま完成機ビジネスをやっていても問題になっていた気がします。
その点、最大手のブラジルのエンブラエルは、顧客だけでなく我々メディアに対する応対も謙虚かつ説明も丁寧ですばらしいです。企業としての基礎体力のようなところでも差があったように感じます。
三菱も個人的には腹を割って話せる人もいるので応援はしたいですが…契約上のキャンセルポリシーがこうでも、今回の契約解除は三菱側の開発凍結発表を受けてのことですから、違約金は発生しませんかね。事実上、納入がほぼ不可能の状況と思われますし。
> 確定発注とオプション(仮発注)が10機ずつだった。一般的に、確定発注分がキャンセルとなった場合は、違約金をはじめとする金銭などによる補償が発生する。『一般的に、確定発注分がキャンセルとなった場合は、違約金をはじめとする金銭などによる補償が発生する。』
と本記事にはありますが、6度にわたる納期延期と今回の凍結。
契約時にどんな条件になっていたか分かりませんが、買い手からしたら売る側の契約不履行を主張し、キャンセル違約金0は当然で、むしろ三菱側から買い手に補償金を払うように言ってくるのでは。
開発中断で、同社に残った社員はまさか法務・契約関連の人が多いのでしょうか。