米CDC、新型コロナワクチンのアレルギー反応を注意深く監視
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インフルエンザワクチンの100万人中1.3人という、記事中のアナフィラキシー頻度に関しては、以下の報告と思われます。
▷Journal of Allergy and Clinical Immunology 2016; 137:868-78.
https://www.jacionline.org/article/S0091-6749(15)01160-4/abstract
念の為、留意しておかなければならないのは、新型コロナワクチンには世界の注目が集まっており、その副反応は『最大限の情報がひろいあげられている』可能性が高いということです。
一方で、前述のインフルエンザワクチンのアナフィラキシーの頻度に関する報告は、カルテ上からの後ろ向きの情報収集であるため、頻度が低めにでている可能性があります。
別の薬剤に対するアナフィラキシーに対しても、頻度を把握すると体感しやすくなります。
たとえば抗菌薬に対してのアナフィラキシーの頻度は、100万人あたり1人~1000人と推定されています(幅が広いのは研究ごとに差があるからです。
▷New England Journal of Medicine 2001; 345:804-9.
そして、解熱鎮痛剤に対するアナフィラキシーの頻度は、100万人の過去1年あたりで考えると30~500人程度ではないかと考えられています。
▷ Current Treatment Options in Allergy 2017; 4:320-8.
アナフィラキシーが起こったときの対応をきちんと配慮した上で、リスクを過大に受け取らないようにしていく必要性があるでしょう。約10万人に1人の割合というと、これでもとても稀ではありますが、一般的なワクチンと比較すると、アレルギーの割合が10倍ほど高いということになります。
これまでの調査によれば、ワクチンの安定化に用いられているポリエチレングリコール(PEG)が原因の一つと考えられています。
現在米国CDCはPEGアレルギーの既往がある方を接種対象外としています。PEGは日本ではほとんど使用されていませんが、米国では便秘薬として非常に頻度高く使用されており、確かに稀に重いアレルギー反応が経験されることがあります。
また、アレルギー反応は通常数分で出現するため、ワクチン接種後15分間は経過観察を行なっています。万が一発症したとしても、その場ですぐに治療ができるからです。改めてここで確認ですが、重度のアレルギー反応が起こっても確立された治療法があり、すぐにしっかりと治療をすれば問題はありません。
このように、明らかになった重い副反応に対して、すぐに安全性を高める取り組みも開始されています。
米国ではすでに500万回ほどの接種が行われており、日本でのスタートが遅い状況はヤキモキする面もあると思いますが、これだけの数の接種を見届け、より安全な接種法を確立してから開始できるメリットもあります。
引用文献: https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMra2035343今はまだ、ワクチンの副作用で苦しむか、コロナウイルスで苦しむかの究極の選択だと思っている。
すぐ直るワクチンなど、映画やドラマでのフィクション。
総理・閣僚が打って、問題がないなら、ワクチン接種も考える。