グレタ・トゥーンベリさんら若者が、三菱商事などに抗議。公開質問状も
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注目のコメント
一企業にはどうにもならない4要因をPEST(politics/policy, economy, society, technology)と言い、いずれも影響度を軽視しやすく対応が後手後手に回りやすいものですが、その中でもsocial factors(社会からの思わぬ反響の高まり)は企業にとって難しい相手です。
自分の周囲の人々が論点整理の上、一定の合理的結論に落ち着いたとしても、社会全体も同じ論理を支持するわけではありません。
また、社会全体として大きなうねりにならなかった場合でも、後々まで多くの人に「どちらかというと負」の印象を残してしまう可能性もあります。
本件の場合、若者達の発信は過激派の主張としてマージナライズされているというよりは、むしろ広く静かに共感を集めている、或いは反応が大きく二分されているように思います。時代は変わりました…
企業としては、この発信が(今後、数も存在感も高まる次世代を中心に)一定の支持を集めていることをよく見極めて、慎重に丁寧に対応する必要があるように思います。新興国途上国の若者の中には、先進国の若者のこうした声に強い反発を見せる方もいます。一昨年のCOPであったインドの女性は「グレタさんたちには、我々の国の、電気を使えない2億人の生活を見てほしい」と言っていました。
そういう意見はメディアでもほとんど拾われないのですが。
この案件は長年ベトナム政府がエネルギー政策上必要として支援を求めていたものです。
意見表明は自由ですし、尊重されるべきだと思っています。
ただ、この若者たちの正義感・価値観では測れない世界もあることも見てもらえたらと思います。
追記:ふと安田クリスチーナプロのコメントが目に留まりましたが、エネルギー政策に携わる立場から、事実関係の整理も含めてコメントしたいと思います。
パリ協定(まず、議定書という訳は京都議定書。2015年に採択されたのはパリ協定という訳語が一般的)を批准した国でも、自国のエネルギー供給に必要であれば当然火力発電所を建設・維持します。中国はバリバリ石炭火力の新設を進めていますし、ドイツも脱石炭の方針は出していますが現状は利用しています。
海外に技術を輸出することができる国(技術を有している国)は限られますが、では、日本が輸出をやめればどうなるか。途上国が「じゃあ石炭火力の代わりに再エネで」となるかといえば(基本的には)なりません。中国などから石炭火力技術を輸入します。どうせ使うなら効率が少しでも高いもの=CO2排出が少しでも少ないものを、という考えは、一概に否定されるものでしょうか?
ちなみに日本は化石賞(石炭賞と書いておられますが)常連とのことですが、これまでもさんざNPでは書いた通り、化石賞をもらうのは先進国。欧州は(現状はさておき)高いビジョンを掲げていますから批判されづらい。また、環境NGOは多くが欧州生まれ。それもあって米・豪・日あたりが持ち回りで批判の対象に。安田さんのコメントを批判・否定したいわけでは決してありません。こういうお考えの方が日本の環境NGOには多くおられます。ただ、エネルギー政策として考えている私とは、評価軸がいつもすれ違ってしまうので、コメントしました。「反対するなら対案も一緒に出してください」っていうのは常に言われることですよね。そのとおりだと思います。
でも、対案なしで主張しても別にいいんじゃないですか?現実味とか説得力、生産性は落ちるかもしれませんが、それは聴衆が判断します(例えばNPのコメント欄も)。なんなら代替案を模索するのは、三菱商事らの仕事とも言えるのではないですか?
この件に限らず、対案なしの反対意見を門前払いするのは、そもそも生産的じゃないし、本音と建前が違うように感じます。
火力発電案件からの撤退には賛成です。
経済的なダメージは特に大きいと思いますが、国際協力でもある本件には、後進国に対して先進国の価値基準を示す側面もあると考えます。現状で石炭の方が経済的であっても、クリーンエネルギーの価値と可能性を評価して行動で示してほしいです。