建設業界DXの現在地--「DX銘柄2020」選出2社が始めたこと、止めたこと
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注目のコメント
建設業界はデジタル技術の浸透が遅れがちであるというイメージはありますが、この記事でも取り上げられているように、鹿島建設さんのようないわゆるスーパーゼネコンであれば危機感も強くデジタル化に積極的である印象です。
また、非IT企業でデジタル化が進まない理由を現場のITリテラシー問題に帰着する意見も散見されますが、個人的には必ずしもそうではないと考えています。むしろ、現職で建設現場の方々と何度かお話した経験からいえば、キチンと有用性を実感さえしていただければ現場の職人の方々も新しいデジタルツールを積極的に導入していただけるケースが多いです。
つまり職人さんの厳しい目で投資対効果を見られているだけの話であり、すぐリテラシー問題を口に出すのはサービス提供者側の努力不足で、現場の方々に受け入れられるUXを提供できていないだけではないかなと思っています。
しかし、多数の関連企業・下請け企業など多くのプレイヤーに業務がまたがる建設業界では、いかにゼネコンだろうと一社だけの努力では一気通貫に変革が進まないこともまた事実だと思います。
行政がかかわることも多い業界ですので、「建設業界のDXは遅れている」という一言で終わらせるのではなく、小規模事業者であっても業界全体がデジタル技術の導入(※DXとは言っていません)に積極化できるよう、行政からの支援も含めて積極的に働きかけるのが重要ではないでしょうか。労働人口の減少は間違いなく目に見えている喫緊の課題なのですから。
あと、個人的にですが何をもって「DXが遅れている」と言い切っているのか、どういう尺度で業界・企業で目的も手段も千差万別なDXの進捗を測っているのか、普通に疑問です。この建設テックの分野の企業の者です
建設業は自動車に次ぐ日本第二位の市場規模を持つ巨大産業である一方、全産業でトップクラスにIT化が遅れ、未だに上場企業クラスでも現場では電話帳に頼っています
他業界と建設業のIT化の比較について
https://contech.craft-bank.com/n/nca033194b9f1
IT化の遅れに加え、現場の高齢化(25%が60歳以上)、後述の情報整備の遅れ、寡占化が進んでいない市場という要因もあり、時間当たり労働生産性は発注者である不動産業の9分の1という低さです
BIMはその建設テックの中でも大きな位置づけを占めますし、期待の持てるジャンルですが、一方で鹿島さんのようにテクノロジーを使いこなせない会社も多いです
建設業経営者の平均年齢は59歳、46万社あるとされる企業の9割は中小企業で、半分は売上1億円にすら届いていません
体力は弱く、コロナによる廃業件数ではサービス業に次ぐ昨年2位、後継者難倒産では全産業件数1位です
ホームページに必要な情報は乏しく、「埼玉県で電気工事の資格を有する会社」をgoogle検索することも困難です
他の方のコメントの通り、一社の努力と言うよりは構造的な課題です
かなり初歩的な「会社同士の取引に必要な情報整備」から始めなくては、業界の持続可能性に疑問符が付くのが実態です
弊社のサービスは建設業の施工力を丁寧に8千社分、ヒアリングしてデータベース化し、全体の生産性を高めるデータテックであり、BIMよりはるかに地味なものになっています
https://newspicks.com/news/5322029
しかし、このデータは2019年の台風後の千葉県の事業に活用されたり、YKKAP様を始めとする大手に導入される等、実績が出始めています
本当にコツコツと土台からやらなくてはならない状況ですので、他業種の方も含め、是非協力をお願いしたい次第ですちょっと前まで建築系のSaas企業にいましたが、将来性は間違いなくあるものの構造的な問題が大きくてすぐの対応は難しいなと思いました。
一番はデジタル導入による生産性向上のコスパが一番高いはずの職人さんなどがほぼ組織に属しておらず個人事業主というところですね。
企業が導入するとなっても職人さんは組織外なので、そもそもスマホすら持ってない人へどのようにコスト負担すればいいか?誰がそのツールの使い方を教えるのか?が問題になります。
そういう職人さんは外してITリテラシーの高い若い人に使って貰えばいいしても、平均年齢が60歳オーバーの職種なので若い人だけに絞ったら仕事が立ちいかなくなります。
実はシステムをどう作るか?ではなくどうやって現場の人に使ってもらうか?が1番の課題だとしていました。
アプリの使いやすさとかじゃないんですよね。それは大前提。
多分業界絡んでればみんな似たような認識かと。
業界離れて1年以上経ってるからもう別の問題になってるかもですが。