Teslaは2020年に、ついに50万台の製造とデリバリーの大台に乗せました厳密にはデリバリーは450台足りないのですが、製造台数は前年比71%増。2021年も上海製造のModel YやModel S Plaid、Cybertruckなどが控えており、電気自動車メーカーとしてだけでなく、自動車メーカーとしての存在感も大きくなりそうです。
Founded in 2003 and based in Palo Alto, California, Tesla is a vertically integrated sustainable energy company that also aims to transition the world to electric mobility by making electric vehicles.
肌感覚だが、自動車の単価と台あたり時価総額は普通そんなに離れない。営業利益率が一桁半ば~10%くらい、単年度利益の約10倍と考えるとそうなる。なお、今はグローバルに乖離が極めて激しい…将来の規模・利益率低下を織り込んでいるのか内燃が思いっきり低い。
Teslaの単価をModel 3が増えているので600万円とする。通常の自動車メーカーと同程度の付加価値率になると仮定すると、平均単価600万円で定常状態で約1200万台、現在の24倍生産・販売するという期待になる。環境コストなどを考えたときに付加価値率が2倍になると600万台(現在の12倍)、3倍で400万台(現在の8倍)くらいが期待される「構造変化」として既に織り込まれていることになる。
そのような生産体制を作るには、グローバルオペレーションが必要。ただ自動車は部品メーカー含めて雇用吸収力も大きく、中央政府・自治体・サプライヤーとの連携がより重要になる。もちろん、その過程で資金も必要になる。規模の経済を得られる可能性もあるが、自動車業界は規模の経済は効いてこなかった失敗の歴史(①、②)。また「人とは違う」という訴求は希薄化する(みんなBMWに乗れば価値は下がる)。
またそれだけの規模になれば、自動車マーケット世界約1億台のなかで一定のシェアになる。その際にエネルギー政策やリサイクルも論点として大きくなる。現在はEVシフトのために政策的に補助金メリットを受けるが、独り勝ちであればそれは変わるし、他社も注力し競争は厳しくなるだろう。
Appleのようにトップシェアでなくても圧倒的な付加価値を維持し続けてそれに十分な規模を作れるという期待を、フルフルに織り込んでいるように自分は見える。
なお、Teslaの時価総額の成長について自分は間違い続けている…石森さんの③の記事で「懺悔コメント」でVWなどを超えたときのPick含めてコメントを入れている。
①https://newspicks.com/news/1596470
②https://newspicks.com/news/4989985
③https://newspicks.com/news/5257826
最近下記の動画でトヨタとの比較で解説しましたが、テスラが掲げているのは「持続可能社会の実現」で、サモア島のに大規模ソーラープラントと大規模蓄電池パワーパックで島の電力を100%カバーするマイクログリッド事業などを展開しています。
【10分解説】テスラ | 株価が跳ね上がり続ける理由は何か?
https://youtu.be/cN-xgrd_85k
時価総額を一台当たりで割る分析などもメディアではされていますが、上記の動画の通り、全くApple to Appleの比較ではないので、ナンセンスです。
また先日、章男社長は「テスラを追い抜く」と息巻いていましたが、東京電力がスマートグリッド企業でライバル視するエネルギー企業であるテスラに、自動車の製造業で立ち向かうのは市場規模やユーザー数の観点から、そもそも全く勝ち目がありません。
5Fや3Cといったベーシックな外部環境分析から入り方針や戦略を立て直さないと、トヨタの未来は暗く、日本の雇用や高額納税企業の一角が崩れることになるので、とても心配しています。
BMWが250万台…その1/5の量の「ピュアEVの電池」を平気で生産しているのがTeslaです。
日本、いや世界の自動車メーカーで、この量を提供できるところはありませんよね。
Teslaが、キーとなる部品、例えば、電池、CPU、制御ソフトウェアといったものを自前かつ垂直統合でやっていることによる強みです。
(以下、記事中から引用)
テスラは2020年7月に株式時価総額でトヨタを抜くなど、世界の注目を集めています。しかしまだまだ自動車メーカーとしては小規模。GMは2019年(会計年度)に770万台を販売しており、高級車指向のラインナップを持つBMWも250万台以上を販売しています。
※個人的な見解であり、所属する会社、組織とは全く関係ありません
自動運転技術でも他を圧倒していると聞いたことがありますし…。
個人的にTeslaの成長は素直に喜ばしいことだと思いますし、日本や中国も電動化への流れを大きな方針として示していることで、結果として米 Teslaや中BYDなど、すでに取り組んでいた企業の優位性が決定的になってしまったことも意味しており、日本メーカーはかなり厳しい状況になりそうです。
一方で、クルマとして見た時、耐久性や快適性、特に足回りの具合などのアナログが残る部分はまだ勝負できるので、そうしたアドバンテージが残っている間に勝負がかけられるか?が注目してます。
台数とビジネスモデルの違いといえば、
アップルの時価約200兆円は、サムスンの5倍くらい
一方、スマホの台数は、サムスンの1/2
もちろん、誰もが認識のとおり体験価値の範囲(サービスのスコープ)、顧客との価値交換のありかた(サブスクほか)、バリューチェーンの構造・構成も全くことなっている結果。
テスラのエネルギービジネスモデルの価値は、外部からはまだ試算しにくいですが、価値の大きさからすると、理解できる範囲かと。