英でワクチン接種2回目「事実上延期」
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12月23日付のBBCニュースでブレア元首相が語ったとされるニュース記事でブレア氏は、"2回の投与が必要だが、1回の投与で実質的な免疫ができる "と述べたそうです。
ブレア氏は、この提案が教授デビッド-サリスベリー(インペリアルカレッジの客員教授、2013年まで保健省で予防接種を担当していたそうです)の助言によるものと述べています。
そのなかで
"1回接種で91%防御を得て、2回目の接種で95%を得る、つまり2回目の接種で4%しか得ない "という趣旨で語った、としています。
▷Coronavirus: Vaccinate more people with one dose, urges Tony Blair
https://www.bbc.com/news/uk-politics-55410349
これは、数字がおかしいように思えます。
ファイザー-ビオンテック社のワクチンは、『2回の』接種で95%の有効性が期待されますが、『1回接種と2回接種の間』では、52.4%(95%CI 29.5~ 68.4)と推定されています。
▷ファイザーとBioNTech、New England Journal of Medicineに
BNT162b2 COVID-19ワクチン候補の主要な国際共同第3相試験結果を公表
https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2020/2020_12_11.html
この数字のギャップがなにから起きているのかは不明です。
ですので、この情報自体もなにかの誤解もしくは新情報からでているのかもしれません。
(追記)
デビッド-サリスベリー氏が2回目の接種後7日間で91%というデータから、『1回目で91%』と読み替えている様ですが良いのかどうかわかりません。
情報がさらに増えることを期待しますが、現状では『工夫した予防接種間隔』はあまりおすすめできないように思います。
小児科では、『予防接種間隔のみだれ』は多く経験します。
しかし『さまざまな予防接種間隔で同様の効果が期待できるか』の質問に対して、多くの場合は『データがないもしくは不十分』のが現状で、よく悩みます。新規ワクチンでは、そのような工夫の余地はないように思えます。
(追記2)
土田さま、おっしゃるとおりですので修正します。米国では、すでに接種を1回済ませた人はスケジュール通り2回目を接種する形を想定してワクチンの分配が行われています。
これは、1回のみの接種では効果が不十分であると考えられていること、スケジュール通りに接種しなかった場合にどのように有効性や安全性に変化が出るのかがわからないことに起因しています。
この報道がもし正しい情報なのだとしたら、どのような根拠で決定されたのかの背景を知りたいところです。それなしには、これが正しい判断なのかコメントのしようがありません。
少なくとも現時点では、未査読の論文も含めて、限られたリソースをこのような方式で分配するメリットを検証した研究結果は見られていません。指摘されている問題は、1回目と同じワクチンが入手できない場合、1回目に接種したワクチンの種類が特定できない場合だ。英国政府は、そうした場合でも、さまざまなワクチンの組み合わせを許可するらしい。なお、フランスは、規定の接種法に従い続けるということだ。