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確かに様々なバランスが崩れますね、輸出入でも
それは電気自動車がどう広がるのかも大きく影響
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「隠れた地政学リスク」といいますが、予測される需要拡大に対して、レアメタルを算出する国に偏りがあり、政情不安もあることから安定性に欠けることは、以前から指摘されてきたことです。
レアメタルの確保のために、必要とする日本企業が共同で安定的に調達できる仕組みを作ることはもちろん必要ですが、レアメタルのほぼ全てを輸入に頼っている日本としては、回収とリサイクルにも目を向けたいところです。

例えばリチウムイオン電池の場合、今後の需要拡大は明らかであるとして日本での「都市鉱山」の戦略的確保のため、約10年も前からリサイクル技術開発が国主導・民間主導の形でプロジェクト化されています。
しかしながら、家庭用小型二次電池のレアメタルのリサイクルは、技術的には可能でも小型家電の安定的な回収の面で大きな課題があること(家庭ごみとして捨てられてしまうウエイトが高い)、またEVの浸透が早まりそうにも関わらず、これに対応したリサイクル技術・体制が整っていない点は、一層危機感を持つべきと考えています。
気候変動問題が、鉱物資源等を巡る地政学リスクになるという話は、PHPグローバルリスク分析2021で私が執筆担当したパートでも一部書きました。

https://newspicks.com/news/5474472/

しかし、一般に「レアメタルは中国が高いシェアを持っている」というイメージがありますが、資源供給国として中国が高いシェアを持っているのは希土類元素(レアアース元素)くらいで、しかも埋蔵量が多いというよりは、低コストな生産方法は山肌に硫酸かけるなど環境負荷がかかるので、普通の国ではできず、価格競争で中国にシェアが集中しているというものです。資源は世界中にあります。

そもそもレアアースは用途が限られていますし、効果の割に安いから選ばれて来た側面もあるので、値段が上がったら使われなくなります。この分野に関して、中国は少なくともこれまでは失敗してきました。

一方、資源供給を握っていなくても、中国は世界のEV販売の半分の市場を持っていることから、モーターやバッテリーと言ったEV関連の資材供給の6-8割のシェアを持っています。また、5Gを巡る米中貿易紛争でも話題になったファーウェイは、太陽光発電用のPCS(パワーコンディショニングシステム)のシェアでも世界一です。米英などで、中国製PCS排除の動きがあります。

欧州では中国(あるいは日韓)製EVやバッテリーが大量輸入されることに対する警戒が非常に高まっています。LCAなどによる非関税障壁の設定の議論が盛り上がっています。

バイデン政権になったら(まだトランプがひっくり返す可能性はゼロではないですが)、米中関係は協調路線になると言われていますが、欧州(特にドイツ)が人権問題に敏感に反応しつつアジア戦略を見直していることを踏まえると、大きなストーリーとして米欧で中国の封じ込めを行うという路線は変わらないと考える方が多いです。その際に、世界最大の中国のGHG排出量に関して、バイデンが厳しい態度に出たとすると、世界の産業政策を巡る対立構図が一気に変わってくるのでは、という仮説シナリオをあえて置いて分析しています。