20歳未満が感染しやすい、新型コロナは変異で感染力上昇-英研究
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『基本再生産数(R0)が”最大”7割”増加する』という点で、すでにあきらめに入っていらっしゃる方がいますが、あきらめることは、さらに大きな感染拡大を導き入れるだけです。
確かに、
季節性インフルエンザ 1.28
新型インフルエンザ(2009年) 1.46
スペイン風邪(1918年) 1.8
に比較して、
新型コロナウイルス感染症 平均3.28(2~3としている報告が多い)と高く、7割の上昇は大きいとは思います。
▷BMC Infect Dis 2014; 14:480.
しかし、予防接種の力も借りながら、根絶を目標にできる感染症も多くあります。他の基本再生産数は以下の通りです。
▷麻しん 12~18
▷風疹 6~7
▷流行性耳下腺炎 4~7
▷百日咳 12~17
▷ポリオ 5~7
新型コロナよりも遙かに大きいですよね。
そして、集団免疫を達成するための予防接種率は
▷麻しん 92~94%
▷風疹 83~85%
▷流行性耳下腺炎 75~86%
▷百日咳 92~94%
▷ポリオ 80~86%
です。
そして、ポリオはほぼ根絶されました。
問題は、予防接種率があがるにつれ、これらの感染症が周囲からいなくなり、『予防接種が心配だ』という方が増えて、根絶する前に感染症が増えてくるという現象が繰り返されていることです。
いまは、医療の破綻を最小限に抑えるために、より感染症予防策をより丁寧に行い、予防接種がひろく行われるまで耐える時期です。
一方で、予防接種に対する科学的な報道を支持し(もちろん、リスクに関しても”科学的な目”でみておく必要もあります)、被害を最小限に食い止める必要があります。
あきらめずにいきたいです。結論から述べれば、報告されている研究では、変異ウイルスは「20歳未満がより感染しやすい」というところまでは断定できないと思います。
あくまで変異ウイルスが20歳未満で多く見つかっていて、高齢者で比較的少なかったという後方視的な解析結果を述べていますが、その差が統計学的に有意とは言え比較的小さいですし、論文でも考察しているように、変異ウイルスが広がり始めた測定期間中に街はロックダウンが起こっていた一方で学校は通常通りオープンしていたという社会的側面も多分に影響している可能性があります。
全ての世代が同条件だった場合に、純粋なウイルス側の影響としてどうだったかまでをこの論文から結論づけるのは難しいように思います。原文の方を翻訳をまじえて読んでみましたが『A:20歳未満が感染しやすい』のではなく『B:20歳未満が最も影響を受ける』ということだと思う。
AとBの違いは何か?Aは未成年が他より感染しやすい。つまり若者の病気という印象を与えてしまうのが問題。だがおそらく実際には違う。感染力が強まることで今まで感染しなかったもしくは感染しても無症状のまま発見されてこなかった若者に症状がでる人が増え、新旧で若者の変化が大きいという意味だろうと思う。
もちろん中高年もより感染しやすくなっているはずだ。若い人だけ特異に感染力が強くなるならそれはとてもユニークな変異だと思う。
(追記) 『基本再生産数(R0)が”最大”7割”増加する』は誤解だと思いますよ。R0の増加は0.4の見込みで伝播のしやすさが7割増かと(感染研の見解(6行目あたり))
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/10074-covid19-27.html