医療現場から見る新型コロナ
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極めて重要な記事です。
第3波は、明らかに重症度が上がったことがわかりますし、軽症者ばかりが入院しているわけでもありません。
第3波は、第1波や第2波とは異なります。
中等症・重症患者さんをカバーできる病床(ICUを含む)は、『もともと』少なく、緊急性の高い病状の方を受け入れるのが難しくなる状態に陥っています。
指定感染症を外して第5類感染症に…という論調を見かけますが、そこは本質ではないでしょう。
指定感染症=第2類ではありません。
指定感染症とは、今回の記事のように『閣議決定で柔軟に制度を変えられる』というものです。当初、第2類準じて骨格が決められただけで、その後、変更が加えられているのです。
第5類にすると、その範囲から柔軟に変えることができなくなりかえって弊害が大きいと言えます。当然、第5類にしても、新型コロナが軽症化するわけではないのです。
そして現実的に、重症者をみるキャパシティはもう枯渇しようとしています。身の回りの病院で、コロナ病棟の看護師さんが感染し、新規受け入れがストップしてしまう事例が増えています。
看護師さんは、移動の介助や食事介助など、圧倒的に接触が多いので感染リスクが高いですし、
ほかのスタッフも検査で陰性でも濃厚接触者として自宅待機となると、スタッフ不足により一時的に新規患者さんの受け入れを止めざるを得ないのです。
指定感染症としての取り扱いの問題もあると思いますし、
なにより、防げる感染は防ぎましょう。
これに尽きると思います。重要なこと
「飲食をしながら飛沫を飛ばさない。これが新型コロナを減らすカギです。
家の中で頻繁に手を洗ったり、買ってきたものの外装を消毒したり、帰ったら即お風呂に入ったり、着ていた服を洗濯するといったことは感染予防に貢献する度合いが低いので、手を抜いてよいと思います。また、ハイリスク群のいない家庭で頻繁に窓を開けて換気をしたり、環境を消毒するといったことも、それほど重要な感染対策ではないでしょう。
同居者以外との飲食を控えることにしばらく注力するだけで、感染者は減っていくと考えられます。」
研修医時代にお世話になった坂本さんもすっかりコロナ禍で有名になられました。喜ばないでしょうけど。。。
マスクをせずに話す場面、密になる場面を改めて振り返るとやるべきことが見えてきます。
なお、医療資源の最適化をすればもっとできると考えるのは最もです。
日本では本当に重症な方のみをICUでみる方針なのでベッド数が少なく、集中治療をお手伝いできる医師の多くは他の緊急疾患を扱う科の医師ですし、看護師に至っては一般床からいきなり集中治療への移動は難しいです。呼吸器を触ったこともないという人も多いです。
やってやれないこともないのかもしれませんが、「十分な」医療ではなくなってしまう可能性があります。
心臓カテーテルが広く普及したがために日本中にECMO(この場合は心臓の代わりもするVA-ECMOとして)が拡がったものの、同じ機械でやることだから似たようなものと新型インフルエンザ肺炎へのVV-ECMOをやっていた頃は生存率が35%程度でした。諸外国と比較しても明らかに悪い成績で、その後ECMOプロジェクトなどのおかげで70-80%の生存率まで大きく改善した経緯があります。
今回のCOVID-19においてもECMO装着患者の生存率は諸外国と比較しても良好な成績といえます。(それでも残念ながら亡くなられた方はいますが)
日本全体のCOVID-19による死亡数は3000人ほど
人工呼吸器装着者の死亡転帰は357例
ECMO装着後の死亡数は97例
(ECMO netより)
ECMO装着者の成績が多少悪かろうがおそらく皆様が見る数字に影響はないでしょうけれど、そこを諦めたくはないのです。
大局観で見なければならないこともありますが、やはり1つの命は決して軽くはありませんから