米禁輸、最先端半導体に影響=国産化戦略に打撃も―中国SMIC
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特に3年ぐらい前からは安全保障サークルでは、半導体が主戦場になるというのが共通認識で、私もそう指摘してきました。
中心は国防総省で、半導体製造プロセスの押さえ所を早くから見定めています。
そのことは中国は当然認識していて、2015年の中国製造2025の最大のテーマでした。この後、計画通りに行っていないので焦りがあります。
米国だけでは完結しないので、日本、欧州の動きがポイントであることは米中ともに考えていることです。エンティティリスト掲載がどのような影響を与えるかは企業によっても違えば、輸出許可が下りるかどうかという米当局の匙加減でも異なります。
SMICについては将来的な開発目標であった10ナノメートル以下の半導体製造に関して必要なものは差し止めで、現行の主力プロダクトに関連するものについては輸出許可が下りるという形になりそうです。
というわけで短期的な影響は少ないようですが、「SMICが育ってくれたら、米国の制裁に対抗できるのになぁ」というぼんやりとした期待が打ち砕かれたことは事実です。また、米国の制裁もこれで終わりではなく、SMICに対する規制の強化や、他の半導体製造企業への制裁に拡大する可能性も十分あります。半導体は重要な産業ですが、その工程や製造機械のうちのいくつかはきわめて少数の企業に寡占されているため、中国が独自に開発して状況を変えることは困難です。
米政府の輸出管理規則を使ったハイテク企業に対する制裁について、中国当局はだんまりを決め込んできましたが、やはり、なんらかの形で米国と合意できなければ先が見えないことが明確になってきました。バイデン政権誕生後の重要な外交テーマとなるでしょう中国は自らイノベーションを起こすのだと言っていますが、実際には、思うように進んでいないようです。2018年には、中国は2020年までに国家イノベーションセンターを20箇所建設するとしていましたが、今年になって、2025年までに数カ所、と下方修正しました。米国の禁輸措置は、中国の技術開発にさらに影響を及ぼすかもしれません。
権威主義的政治体制、計画経済の下ではイノベーションは起こらないという人もいます。中国は、正当な商取引によって製品を得る以外に、米国の企業等が有している技術情報をサイバー攻撃等で盗む以外に手段がなかったのです。米国が中国のサイバー攻撃に警鐘を鳴らして対処し、禁輸措置もとるとなると、中国は技術を入手することができなくなるでしょう。
トランプ大統領自身が戦略的にものを考えた結果であるとは考えにくいのですが、ポンペオ国務長官とつながりのある情報部門等、中国の急所を理解しているスタッフがいるということでしょうか。