医学部ない明治大がクリニック開設 その狙いとメリットとは
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これは興味深い事例。子どもの神経発達障害の診断や薬物治療は医師の関与が必要である一方、臨床心理士などの研修先として、クリニックが隣接することのメリットはある。
神経発達障害(精神遅滞、自閉スペクトラム症、注意欠陥多動性障害等)の増加は、少子化の時代により重要な問題。全然違和感ないです。
私が卒業後、小児科医になった理由が、まさに小児心理学をやりたかったからです。ところが、小児科は生き死にの病気に忙しく、そんなことができる状態ではありませんでした。最近はは知りませんが、私が小児科医だった40年ほど前には、小児心理の専門家は非常に少なく、その大きな理由は、稼ぎが少ないことでした。日本の保険システムは、薬や手術に対してカネを払うシステムで、心理相談には、何時間時間を使っても、微々たる報酬しかありません。
また、せっかくの医療知識を使う場がないのも、不人気の理由でした。
医学の知識があった方が幅は広がると思いますが、必須ではありません。どちらかと言えば、文学畑の仕事かなと思います。ピンキリなのかもしれませんが、本当にすごい精神科医のカウンセリングはただ話を聞いてるだけのように見えて、相手の話を引き出し、そして本人さえ気づいていなかった事柄を自分から言葉にして表出ささることで気づきを与え、認知行動療法のような治療に繋げていく。
そのスキルにただただ驚くというのが正直なところです。
医師は、学ぶ機会はないもののの、ショッキングな事実を伝えなければならないことは多く、カウンセリング技術は少なからず持っておくべきとは思うものの、実際には難しいのが現状です。
遺伝疾患などをうまく説明できずに不安を与えてしまうことも現場では見られます。(遺伝カウンセリングはそれそのものが専門領域となるくらい難しいのも事実です。)
心療内科的な話に戻しますと、カウンセリングに十分な時間をとって治療していくことは医業で収益を出していくことと相反する部分があります。
診療時間を短くして回転率を上げ、眠れない、不安、という症状に非常に安易な睡眠導入薬や抗不安薬が処方されていることもあります。本質的な治療になっていないと感じることもあります。
そのような中で大学病院がこういったクリニックを立ち上げることには、通院される方々へのより良いアウトカムに、そして記事にあるとおり教育にも、そして一般の関心をえるという意味でも良い影響を期待します。