見出し画像

福岡国際マラソン

前回のnoteでも綴っていましたが、今年は「マラソン練習をしながら日本選手権の標準を切る」をテーマに掲げていました。

2度目のマラソンとなった今回の福岡国際マラソンはその集大成。1度目の泥縄な準備に比べて、はるかにいい準備ができており、自信を持ってスタートラインに立てました。

トヨタ自動車の勇馬さんやヤクルトの高久さんが残念ながら欠場でしたが、結果は優勝。2:07'05"の日本歴代9位という結果でした。

ここまで積み重ねたものが間違った方向へ進んでいなかった事を証明する事ができた事が非常に嬉しかったと同時に、支えてくださった皆様、証明する舞台を用意してくださった大会事務局の皆様に本当に感謝しかありません。

さて、今回のnoteは福岡国際マラソンに向けての取り組みの一部、とりわけ練習的な側面をみなさんに共有できればと考えて綴ったものです。



マラソンへ向けた練習

マラソン練習をする上で最も重視していたのはロングjog。今回のマラソンの結果の8割は占めていると言っても過言ではありません。

期訳的には9月は主に質の高いスピード練習を行う時期ではありましたが、そこでも4'00"〜3'45"前後で120分〜150分のjogは8回ほど行っていました。

マラソンでの下地作り+トラックに向けた質の高いスピード練習、当然万全とは言えない状態の中でも5000m、10000mで日本選手権の標準を突破(来年を見据えてスパイクで出走しました)する事ができ、各月のポイントで順調に準備が進められていました。

マラソン練習するにあたり、「40㎞走は何回やったか?」という質問をよく受けますが、福岡国際へ出場するにあたって40㎞は4回ほどしかやっていません。前述したロングjogの質が高く、頻度も多い、さらには40㎞走とロングjog後の脈拍はほとんど変わらないためです。

疲労がある際は1部練習でロングjogということもあり、例えば朝60分、午後60分をだらだらしたペースで走るのであれば、睡眠とリカバリーを取る事を優先し、午後に質の良い120分〜150分という風にすることもありました。そのくらい質の良いロングjogによる下地作りを重視していました。

ポイント練習に関して中心になっていたのは、21㎞〜30㎞の変化走。1度目のマラソンではほとんどやっておらず、今回はかなりの頻度で導入していました。

主な内容としては
30㎞ (3'30"〜05"×3㎞+3'00"〜02"×2㎞)×6set
※ラスト5㎞は気持ちペースアップ

21㎞(3㎞8'55"+1㎞3'35")×5set+1㎞(2'45")

ペースに余裕を持たせているのは、夏の強化期間中で、アップダウン有りのコースであるためです。

変化走を重視している1番の目的は、1度目のマラソンで感じた「ペースの揺さぶりに対応しながら、勝負で勝ち切る事」を目的としています。(別大前はやっていなかったので、当然のことながら30㎞〜にペース対応するだけで精一杯でした。)

生理学的に言えば、疾走区間では速筋を動員しスピードを強化させるだけでなく、糖の分解を速め素早く多くのエネルギーを産み出す能力(解糖系のエネルギー代謝の能力)を高め、減速の区間では疾走で産生された乳酸を酸化させ再びエネルギーに戻す能力(乳酸酸化能力)を高める事を目的としています。

福岡国際マラソンの成果と課題

これらの裏付けを持ってやっていた事は、2度目のマラソンで大きく生かされました。とりわけ37㎞以降の動きが象徴的です。一度3'08"にペースを落とせば、次のラップでは3'01"に戻す事ができ、脂肪酸化能力も高める取り組みをした事で、糖が枯渇すると言われる30㎞以降もエネルギー切れが全く発生しませんでした。

その反面でフィジカル面に大きな課題があります。今季は中臀筋、大臀筋を中心とした臀筋群の強化、速度帯に差があるトラック練習とマラソン練習で下肢の動きを変えないための股関節の動的ストレッチ、胸椎と仙腸関節の動的ストレッチを導入していましたが、使えるようになった臀筋の強い出力に対して上半身が追いついていない点です。

映像を見て、ランニングに詳しい方であれば感じたかもしれませんが、36㎞では上半身の動きの非対称の度合いが強く、腰椎の前湾(反り腰)がはっきり出ている事で、臀筋がきちんと使えていない状態になっています。

トレーニングに着手していないため、当然といえば当然なのですが、下肢の動きが良い分、明らかに非効率な側面ですので、改善が必要です。

ですが、ランニングの中で無理矢理フォームを意識して修正する事はしません。課題を改善する然るべきトレーニングをし、なによりも「自然に、無意識に」安定した動きになる事が重要です。

"柳に雪折れなし"と言いますが、意識的に固めたフォームより、日々の補強トレーニングの中で、無意識にしなやかに動かせるフォームの方が効率的なのは言うまでもありません。

今後はまずニューイヤー駅伝を経て、トラックのベースアップ+上述のフィジカルの改善から着手していく予定です。

最近同期に刺激を受けまくりなので、マラソン練習をしながらでも10000mは27'50"くらいは切りたいところです…笑

いずれにせよやりたい事は沢山ありますが、一歩一歩丁寧に。引き続き頑張っていきます。

日刊スポーツの上田さんも綴っていましたが、本来支え、背中を押してくれる皆さんの声援が「飛沫」だと揶揄され、仲間と肩を組むことを「密」だと悪者扱いされてしまう苦しい世の中ですが、放送での応援、インスタの投稿でのお祝いメッセージありがとうございました。本当に感謝しかありません。

今後とも頑張りますので、応援よろしくお願いします。

質問等々がございましたら、是非コメントしてきただけたら幸いです!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?