【宮台真司】閉塞した社会で「幸福」を思考する(後編)
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コメント
注目のコメント
結局人に期待している教育者は、「クズ」とかいう表現を使わない方が良いと思います。
一切触れられていないプラグマティックかつサイバネティックな米国発の発想が中国に移植された現在、自国民に期待すらしていないのは中国や米国の方がドラスティックですから。
真底怖い発想に対抗出来るような「クズ」啓蒙では無いですね。マッチョに勝つ方法は長年日本人が不得手にしてきたところなので、思想として弱者側に立たないとマスはおさえられない。そのへんが廣松渉とは違うんでしょう。宮台さんは、ずっと性愛の問題を考え続けていますが、この論点は重要ですね。映画『マトリクス』で、武道を習得するのに、修行を早送りするのと同じです。一瞬で武道を身につけることはできない。せいぜい早送りするしかない。記憶のないもの、身体性のないものを、人間は認知できないというのは、もっと強調されていいと思います。
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苦行とLSDは果たして同じか? 違うよ。長い苦行には記憶が付き物で、記憶に裏打ちされた実感が伴う。脳内物質のコントロールに記憶は関係ない。僕らは果たして、記憶と無関係に幸せになって良いのか。これは人倫上の本当の大問題です。
僕は、幸せは幸せでも、「多幸感」と「幸福」を区別します。ケミカルとサイバーによる脳内物質の操縦が与える「多幸感」と、記憶と向き合いながら初めて体験できる「幸福」とは、違います。