政府、博士課程1000人に年230万円支援へ…先進分野の研究支援
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アメリカの生物学者です。日本では大学では御飯事の研究しか出来ず、大学院入学後はラボの雑用や生活費のためのバイトに時間を取られ、なかなか一人前になれない大学院生も多くいるのではないでしょうか。
アメリカの大学卒は日本に比べると研究スキル、知識など非常に高レベルです。大学院在学中は給料を貰いながら研究し、卒業時には自立した研究者となっています。
薬会社は当然薬開発のために優秀な研究者を高額で雇用したいので、大学院卒業後多くの研究者は企業で雇用されますし、アカデミアでのスタートアップも充実している印象です。
今回の大学院生への支援の試みには当然賛成しますし、より多くの研究者が安心して生活出来るシステムが構築されることを期待していますが、根本的に日本の大学または大学院での教育システムを改善して国際競争力のある研究者を育てないと卒業後の雇用に繋がらないかもしれません。
注目のコメント
ノルウェーだと博士課程の学生は雇用されている扱いで、かなりまともなお給料が払われます(グロスで550万円ほど)。反対に、雇う資金なしに博士学生を受け入れられないので、アメリカなどに比べると数は圧倒的に少ないです。日本同様、アカデミアの仕事は限られているので、卒業後の進路は色々で、研究機関の他にビジネスに行く人も多いです。ノルウェーのBocuse d'or (国際的なシェフのコンテスト)のディレクターをやっているのは、PhDを持っている元学生です。
博士課程に進もうと思っている身としてはかなり朗報です!
が、先進分野に限定するという部分が若干引っかかります。人類の進歩に直接寄与しない科学は研究対象にしてはいけないのでしょうか。
例えば僕の専攻は教育学ですが、この基準に当てはまるのかどうか。また、その基準に合わせて研究内容を調整するのか...微妙なところです。
個人的には、いつか誰かの役に立つと信じて全ての分野が研究の対象となるべきであって、先進分野だけ限定するのは長期的目線で見たらもったいないように思えます。まぁやらないよりはやった方が良いとは思うが、問題は企業や大学の受け入れ先の方では。折角博士号をとっても就職先がなければどうしようもない。博士号をとった学生が普通に民間企業で就活できるとか、大学でポストを得られるとか、そういった構造的な改革を進めていかないと、文系は公務員、理系は医者、大学院は敬遠、といった傾向が続くのでは。