サウジアラムコIPOから1年 堅調株価にひそむ危うさ
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今年6月に下流の石化関連企業のSaudi Basic Industries (SABIC)の持ち分を増やすなど近年石化製品製造へのシフトを進めてきました。これまでにもラービグとジュベールの両工業団地に巨大な石化製造プラントを住友化学、ダウなどと運営しています。川上の石油やガスの井戸元をもっていることによる垂直統合によるメリットだけではなく、(昔よく出張していましたが)港に隣接した広大な工業団地を生かし、規模の経済という観点からも圧倒的なコスト競争力があります。サウジの強みに一つは広大な土地です。
時価総額トップのアップルから8位のテンセントまでずらりとデジタルで稼ぐ企業が並ぶなか、唯一の例外が2位に位置するサウジアラムコです。6月ころでしたか、トップになったこともあったはず。「非公式なかたちでの政府系ファンドや王族による株価の下支えもある」とありますが、サウジアラムコはサウジ王室の力の源泉と言われるほどの存在で、万が一にも株価が大きく下がれば同国の証券取引所で同社の株を買った人々の不満が膨らんで、王室への反感が高まっても不思議ではありません。政府系ファンドや王族が株価を支えるのはあり得る話かと。(@@。フムフム
中東に原油を依存するゆえかつてはサウジの防衛に力を尽くした米国がシェールオイルの生産拡大とともに関与を薄め、脱酸素の動きが加速する欧州も頼りになりません。「アジアシフトと下流進出」を2大戦略とするサウジアラムコが、先般、人民元建て債券の発行の準備を始めたと報じられました。それが進めば原油取引の主要通貨であるドルの地位、ひいては中国と米国の力関係にさえ影響しかねなません。株価の先行きが一企業の問題に止まらないだけに、興味を引かれる記事ですね・・・ (・・;