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西サハラ問題は、世界でもかなり大きな領土問題です。モロッコは西サハラの領有権を主張する一方、西サハラ側は自分たちは独立国家(サハラ・アラブ民主共和国)であると主張、1970年代から武力衝突が続いています。
 西サハラ問題は、モロッコにとって最大の国内問題です。国際的には、西サハラが独立国家であるとして擁護する国の方がアフリカでもヨーロッパでも多数です。
 モロッコ政府としては、西サハラの領有を国際的に承認されることを熱望しています。米国は、モロッコがイスラエルと国交正常化することと引き換えに、この承認を与えたことになります。
 モロッコと米国の仲介をしたのは、UAEです。UAEは、サウディアラビアと同盟して中東でのヘゲモニー確立を目指しており、米国・イスラエルとの同盟をその足がかりにしています。UAEは、自らも先鞭をつけてイスラエルと国交正常化し、他の中東・ムスリム諸国にもイスラエルとの国交正常化を働きかけています。
 UAEは、モロッコの悲願である西サハラ領有を支援し、西サハラ地域にUAE領事館を設置するとともに、軍事的な支援をモロッコ政府に提供しました。この支援を得たモロッコ政府は、先月11月から西サハラ地域の軍事的制圧を進めており、戦闘が激化しています。
 まさにモロッコの軍事作戦中の米国による承認ですが、これはEU諸国の西サハラ独立擁護とは大きく食い違います。そこをどれだけトランプ政権が意識しているかわかりませんが、EUやアフリカ諸国を差し置いても、UAE・イスラエルに際立って味方する姿勢を示しました。
元々当初からUAE、バーレーンに次いでイスラエルと国交を結ぶであろう国はモロッコかスーダンだろうと言われていました。(スーダンは先日国交を回復)

というのは、イランがモロッコが領有を主張する西サハラの独立運動組織ポリサリオ解放戦線を支援しており、近年モロッコとイランは対立を深めていたからです。

西サハラは91年以後一応停戦が成立し現在は75%あまりをモロッコが実効支配していますが、EUなどはモロッコの占領を認めず住民投票の実施を求めており、モロッコは一貫してこれを拒否しています。

そんな中今年の夏頃一部で衝突が再開し、国際的にはモロッコは孤立を深めていました。
イスラエルとの国交回復を条件にアメリカがモロッコの西サハラにおける主権を認めてくれるなら願ったり叶ったりで、合意は時間の問題と見られていたわけです。

一連の中東外交はトランプ政権の最大の置き土産の一つと言えそうですが、モロッコとしてはバイデン政権がEUとの関係を重視して態度を変える前に、何としてもアメリカな西サハラに対する主権承認を取り付けておきたかったのかもしれません。
政権最後の段階での次々のイスラエル擁護の「成果」。イラン包囲網。
アラブ国家は、アラブ首長国連邦、バーレーン、スーダンに次いで4カ国目に。