新型EV電池、官民で実用化 トヨタ20年代前半に搭載車
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ここにある米ベンチャーはQuantumscapeですね。SPAC上場を果たし、VWからの資金を集めてますが工場はまだ建てられてません。
清陶昆山能源発展(Qing Tao Energy Development)は、2020年には年産0.7GWh規模で量産すると発表して生産ラインは構築済みです。
どちらも固体電解質を用いてますが、セル単位での重量エネルギー密度は当初は300Wh/kgと言われてます。固体にしたからといって電池の容量は増えません。
ラボレベルでは400Wh/kgに達成しているようで、これは負極にリチウム金属を使っているためです。現在負極材料はカーボンやチタン酸リチウム(LTO)やシリコン混入カーボンなどが使われてますが、これをリチウムイオンのもとであるリチウム自体にしてしまうことで理論的には最強の負極材料になり、従来比2~3倍の容量増が見込めます。
しかしリチウム金属は理想の負極材料と分かっていながら四半世紀以上商用化出来ずにいました。安全性に難点があるためです。ここで固体電解質の登場なんですね。
リチウム金属負極は充放電を繰り返すとデンドライト(樹枝状結晶)が生成して電池の劣化や最悪ショートを引き起こします。それを固体の電解質で押さえ込もうという使い方も狙ってます。記事では絶縁材(セパレータ)が無い絵に全固体電池は描かれてますが、実際にはセラミックセパレータを入れるケースも有ります。
電解液が固体になることで電気が流れにくくなるのは想像しやすいと思いますが、電気を流しやすい固体物質を探索していて有望な酸化物や硫化物が見つかったのが数年前。それを量産させようとして苦労しているのが現在の状況です。
つまり液体より電気の流れにくい固体にしてまで、安全性を向上させ、電極の集積密度を上げて容量を増やそうとしたものが全固体電池と考えて頂くのが良いと思います。電解質を固体(既にポリマーなど固体のものは実は有ります)にして電池を密構造にさせるアプローチで、材料レベルで容量を増やす(リチウム金属負極等)試みも同時に行われています。
なので日経新聞に多いのですが、全固体電池の絵をもう少し実態に合ったものに変えた方が良いんですよね。正負極をより密に何重にも積層させるとか。
なんとなくですが以前私が作った絵に似てるので、責任を感じてます。。現状のリチウムイオン・バッテリーの問題は有機溶剤を使うので、内部でショートすると、熱暴走が止まらないこと。大量のエネルギーを持つシステムの課題だ。そこで期待されるのが全固体電池で、最大のメリットは安全性。ホンダも独自に研究を進めてる。
20年代前半というのは前から発表していた内容
航続距離2倍(何に対して?重さ?体積?)で500km
充電時間3分の1
試作車を来年に出す?
日中共同の超急速充電規格チャデモ3.0(中国での規格名は「超級(ChaoJi)」)の900kW(600A 1500V)の整備が要りそう。現在主流のチャデモ1.0は50kW。
https://blog.evsmart.net/quick-charger/chademo-3-0-chaoji-announcement/
水冷しながら給電するすごいプラグながら、なかなかスマート。
車体価格次第ですが、とんでもないのが出て来そうですね