グーグル、日本でも記事に対価 メディアと本格交渉へ
コメント
注目のコメント
誤りではないが毎回この手のタイトルには違和感があります。
これは10月にリリースしたGoogle ニュースショーケースというプロダクトの話です。
https://blog.google/outreach-initiatives/google-news-initiative/google-news-showcase/
ニュース配信アプリはGoogleがメディアと提携して意図をもってキュレートしてユーザに届ける。それに対価が当然に伴うという話。
それと、検索結果やソーシャル上で個人にシェアされるニュースに対する対価や権利がどうのという議論とは、全く別です。が、どうしてもこのようなタイトルは両者の議論を混同させる意図が入ります。無論、両者は無関係ではないものの、事実をいったん峻別したうえで、繋げて論じるべき。
なお時を同じくしてFacebookも同様の動きをしています。
https://newspicks.com/news/5175686?ref=user_143212
無論、偶然ではなく両者ともに上述のコンテクストを踏まえての対応と考えるのが自然でしょう。情報はタダじゃないので。
これからますます目に見えないものにお金がかかる。ここに適正対価をつけるのは日本の苦手な分野のように思いますが、勝機があるのもこの分野何だよなぁ。グーグルは「グーグルニュース」が2001年に日本でサービスをスタートさせています。一見、ヤフーニュースのようでしたが、違うのは、ヤフーがヤフーのドメインの中で、記事を掲載しているのに対して、見だしを掲示し、リンクをはって、新聞社のドメインで記事を読めるようにしていたところです。
ヤフーはごく少額を新聞社にはらっていましたが、グーグルはリンクをはってているだけなので払わないという建前でした。
当時、新聞社は、「ニュースの対価を払え」と猛烈抗議をしました。ヤフーニューストピックスの見だしが画面の上に流れて、クリックするとその記事に飛ぶというライントピックスというサービスを始めた神戸の会社が読売新聞に訴えれて、その控訴審が行われているころのことでした。つまり「見だし」といえども著作権がある、という主張です。
ハイパーリンクはインターネットならではの発明です。それを使ったキュレーションもまた、そうです。このようにして、ネットのプラットフォーマーが成立していったのです。裁判で「見だし」の著作権は認められませんでした。
今回のショーケースでも基本仕組みは同じですが、一本一本の記事がばらばらに提示されるのではなく、その媒体のパッケージが提示されるということになります。
総額で見ると大きなお金ですが、しかし、メディアごとにならすと、今の紙や地上波の縮小を補うだけの金額にはなりません。
各メディアはショーケースのリンクを使って飛んできたユーザーをいかに自社サブスク有料モデルの会員にするかが「勝負の分かれ目」となります。
詳しくは拙著『2050年のメディア』で。https://cutt.ly/yhmr2rp