スタバも注目!人気復活 “木造建築”の新技術
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CLTはまだコスト的に普及が滞っているけれど、もっと広がってほしい建材。木材はそもそも材の均質性や安定性の担保が難しく、法的な性能定義や構造計算による安全性の担保が難しかったのが、CLT含む集成材の普及により木材でも鉄骨やRCと同様の計算による計画ができるようになってきている。20世紀以来の化学と機会加工技術、構造や防火評価の基準など複合的な工夫の上に生まれてきた、知恵の結晶とも言えるハイブリッド材ということをもっとちゃんと押し出して、ユーザーが愛せる打ち出しをもっとしたらいいのにと思う。
国産の集成材はこれまでもあったのだけど、より国産材との相性もよくて構造壁などへの応用が行いやすいCLTはもっと戦略的なPRがなされていい。単純な利潤追求だけでなくて荒廃する里山の維持というもう一つの価値も反映されている商材だから、単体でのコストだけで選択の対象にならないよう、CLT材利用プロジェクトへの輸送コストや税制優遇、容積率や用途制限の緩和などの柔軟な施作も、もっと考えられないのかなと。
記事にあるような民間の技術開発はもちろんだけど、人件費や生産規模の面で国際競争力が保てない林業の現場を丁寧に見て、実は現場に細かく残っているロングテール化してしまった加工設備や人材を、より大きな流通とシェアの仕組みに巻き込んで、デザインや観光、教育などの業態と接続する動きなども期待したいところ。木の伐採は環境破壊というイメージがありますが、人間と共存してきた里山や人工林は人間が間伐など手を加えることによって成り立っている生態系です。
木材はこれまで構造の限界と火災の耐性の限界がありましたが、近年の技術革新で日本橋では高さ70mの木造の高層タワーも実現できる段階まで来ています。
この高層タワーには竹中工務店の燃エンウッドという新しい技術が使われていて、火災の際に炭化して遮熱層を形成する「燃え代層」、そしてその内側にモルタルと石こうで火災の熱を吸収する「燃え止まり層」を設けることにより、中心の荷重を支持している柱を守るという技術です。
https://www.takenaka.co.jp/solution/needs/design/service20/index.html
CLTは軽くて強度が強いだけでなく、これまで木材として使えなかった細い木が使えたり、柱や梁だけでなく、面の構造材にもなり得るのがメリットです。また、部材を工場で予め作れるので工期の短縮にも繋がります。
ただ、どの木材もやはりコストが一番の足枷になっていて、今後更なる技術革新とマーケットの拡大でコストが下がることが期待されています。
そういった背景でこの様に平岩さんの様な諦めない技術者こそがその革新を進めていることにも注意です。木造が広がっているのは、規制緩和に動いてくれている国交省と、大臣認定にチャレンジしてくれている企業のおかげです。
ただ、日本の林業が衰退した要因の一つは、世論と報道が森林地主に過剰な圧力をかけて過伐採してしまったことでもあります。森林は伐採できるまでに40-50年かかるのですが、当時は戦後の住宅不足。「森林地主が自身の利益のために伐採量を減らしている!」との報道に押されて、森林自体の生態系や林業の持続的経営を無視した過伐採を招いてしまい、さらにRCや外国産材のダブルパンチもあり、林業は維持管理できない経営破綻状態になってしまっています。
林業の衰退を嘆くのであれば、その要因の一つでもある「専門家軽視の加熱報道」を防ぐ術も考えたいところ。
参考:https://crossacross.org/ky/Past+present+and+future+of+forestry