この連載について
2020年の産業界は、半導体の年だった。米中の間では、半導体をめぐって覇権争いが繰り広げられ、巨大企業の大型買収も相次いだ。しかし一方で、半導体についてしっかりと理解している人は少ない。NewsPicksが現代の必須教養である半導体を、世界一わかりやすく解説する。
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Intel is a leading digital chipmaker, focused on the design and manufacturing of microprocessors for the global personal computer and data center markets.
業種
半導体(ロジック)
時価総額
26.2 兆円
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Apple is among the largest companies in the world, with a broad portfolio of hardware and software products targeted at consumers and businesses.
時価総額
380 兆円
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記事に関連して、3つの観点で。
①ベンチマーク性能
各社、色々なベンチマークで自社半導体の優位性を強調する。ただ、下記でコメントしたが、自動車の燃費モードの議論に似ているか、もっと複雑。
例えば、CPUは常にフル利用ではなく、省エネ性とのトレードオフ。また得意・不得意な処理、CPUとGPUを両方利用したときの性能など色々な観点に加え、もちろんコスパも要素。
ただ、昔はIntelが圧倒的だった(2000年あたりにAMDがAthlonで盛り上がったとき以外)。それがAMDが伍していることや、Appleが内製でパフォーマンスも経済性も成立しているという点が、過去とは全く違う。
https://newspicks.com/news/5164632
②製造面
記事にあるようにAMD・Appleが7nmに対してIntelが10nm。これ自体は、物理的には微細化が進んでいるが、一方でIntelのエンジニアリングは一定強く、微細化の差の割りにCPU性能で粘っている印象。
ただIntelはEUVにまだシフトしていない。14nm→10nmの移行も当初計画比で5年遅れ(細かくは下記)。EUVは光源が違い、違う技術へのシフトは過去経験則でよりハードルが高く、今後の微細化進展にこれからどれだけ出てくるか。
https://newspicks.com/news/5315686
③AMDの業態変換と、今後の競争
AMDは元々IDMだった。しかしIntelに負け続け、工場をGFに譲渡。そしてしばらくはファンドリとしてGFを使っていたが、最近はTSMCシフト。合理的な意思決定だが、IDMだった会社がファブレスに転換し、かつ設計でトップに伍すものを作れたことは歴史に残る転換。
下記のXilinx買収でコメントしたが、IntelがCPUとFPGA(最近はGPUも単独で売り始めたが…)、NVIDIAがGPU、AMDが全部という状況。AMDが全部手掛ける中で、戦力分散してしまうか、それか技術横展開などの共通コスト化で圧倒的になっていくか。
https://newspicks.com/news/5340169
まず、中国の半導体メーカーの苦境にまつわる報道が相次いでいます。
HSMC(Wuhan Hongxin Semiconductor Manufacturing Company)、紫光半導体...こうした紅半導体企業が財政危機に瀕しているとのこと。
世界の工場として、液晶テレビや太陽電池では世界生産量トップに飛躍し(政府補助金というアンフェアな競争もありますが)、ものづくりのシリコンバレーと呼ばれる深圳ではドローン産業が大きく発展してきた。
それが半導体になると、一筋縄ではいかない。
その要因を追うため、今回の特集では取材を重ね、半導体を作ることの難しさ、さらには装置や材料を含めたサプライチェーンの重要性を追ってきました。
一方、米国も半導体についてはアキレス腱を抱えているといえる状況です。それが、覇者インテルの異変。
インテルの隆盛はビジネスの教科書にもたびたび掲載されていることから、ご存知の方も多いと思います。インテルの変調についても、ビジネスの教科書にいずれ掲載されるであろう、大変示唆に富むものです。
連載第二回目では、米中がTSMCを取り合う構図とその背景を紹介しました。
なぜ、そこまでアメリカがTSMCを引き込むことに本気になるのか。インテルに焦点を充てることで、より理解が深まれば幸いです。
本日まで1週間お付き合いいただき、ありがとうございました。今回の特集では日本企業についてほとんど触れられませんでしたが、半導体サプライチェーンの川上、川中ではまだ存在感があります。近く、そうした企業を「日本の勝ち筋」のひとつの在り方としてご紹介したいと思っています。
そこから見えてくることは、一度、ウィンテル体制が確立し、PC用のCPUを中心とした自社の資源配分ができてしまうと、それ以外のCPUに直接関連を持たない事業への資源配分が難しくなってしまうという、戦略の慣性力が働くという問題でした。
その結果の一つは、スマートフォン市場の取り逃がしであることは明白です。
一時期、インテルはクアルコムに時価総額で抜かれ、後に、インテルキャピタルやエッジ・コンピューティングなどで持ち直しましたが、Apple Siliconやこの記事で指摘されているAMDの強靭化などでいよいよメイン事業のCPUは厳しくなってきている、ということでしょう。
ただし、経営戦略という観点からは、必ずしも、同じ土俵で戦う必要はないと思います。
攻めるほうが新市場を形成しながら参入してきますので(クリステンセンのバリューネットワークの概念)、ディフェンス側は困難を伴います。
従って、これまでに蓄積してきた莫大な資源をどのように今後のイノベーションへと大胆に展開していくのか、どのような戦略を描くかということが重要でしょう。
記事では巻き返しを前提として書いていますが、長期に渡って考えるべきものであり、必ずしも戦略はそれだけではないと思います。
CPUを撤退戦を視野に入れた戦いとしていくか、それとも、ここを主戦場としてあくまでも戦い続け、新たなコンピューティングの進化を再びリードするだけの技術開発で巻き返すか、新領域の開拓を視野に二正面作戦を敢えて展開して、事業間シナジーを考えるか、そのあたりに注目していきたいと思います。
AppleのiPhoneを逃したことが王者凋落の遠因なわけですが、リスクとリターンのシンプルな大原則によると、投資したことによる最大損失額は投資額まで。だけど、投資しなかったことによる損失は無限大なんですよね。
王者インテルでさえ、こうなってしまうんですものね。
ホントに怖いです。
見逃してはいけないのは、インテルほどの企業であっても、低成長を市場は見逃してくれないし、顧客も貪欲によりよい成長へと突き進む。そういう社会全体のダイナミズムがある事が新陳代謝を促しているのは間違いない
後からはわかるのですがその時に閃くのは至難の技なのでしょう。
日本の白物家電なども似たような運命を辿ってきましたが、自動車産業はどうでしょうか。
日本的には、盛者必衰の理。
という印象を受けるけれど、再び成長もありえるというのが、企業経営のおもしろいところ。
「イノベーションのジレンマ」と後付けで解釈するのは容易い。例えば、現在ブロックチェーン/仮想通貨に投資している企業は、将来的に「先見の明があった」と言われるのか、「バブルにはまった」と言われるのか、は現時点では分からない。
ところで、ウィンテル連合のもう一方であるマイクロソフトは生き延び、復活しました。この違いの一因は、Intel(半導体メーカー)の競争力の源泉は「技術力」「学習曲線」「規模の経済」であるのに対して、マイクソフト(OS/ソフトウェアメーカー)には「ネットワーク外部性」もあったことかと思います。
インテルのチップの性能が劣ると顧客が認識され、競合に乗り換えられるリスクは相対的に高い。一方で、大多数のエンドユーザーが慣れ親しんでデフォルトになっているマイクロソフト製品は性能が低くてもスイッチすることが難しいから。スイッチするとすれば、世の中全体がシフトする位の変化が必要。
なので、同じ様に、急成長しているNVIDIAを初めとした現代の半導体メーカーが将来的に競合の脅威にさらされるリスクは、GAFAMなどのプラットフォーマーがその地位を失うリスクよりも高いはず。