最低賃金、全国一律に 自民議連がコロナ後へ提言検討
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人口減少で人手不足が深刻化するなか、中小企業のすべてが日本経済を支える宝だという考え方は捨て、最低金銀を全国一律で大きく引き上げて東京と地方の賃金格差をなく、生産性の低い中小企業の合併、統合、淘汰を進めて日本企業の生産性を上げよというのが「意見聴取する有識者」として名前の挙がる「首相に近い小西美術工芸社のデービッド・アトキンソン社長」の基本的な考え方だと承知しています。しかし「最低賃金の全国一律化」と大幅な引き上げが「東京一極集中の是正」に繋がるかは疑問で、労働者が全体として賃金上昇の恩恵を受けられるかどうも怪しいところであるように感じます。
最低賃金の引き上げは、誰かにそのコストを負わせることを意味します。賃金上昇分が価格に転嫁されるなら消費者が負担を負いますし、企業が余剰な利益を賃上げに回すなら企業が負担しますし、企業が雇用や労働時間を減らして対応するなら労働者が負担することになるわけです。所得主導成長を掲げた文在寅大統領が全国一律の最低賃金を大きく引き上げて雇用が失われた韓国は、労働者が負担を負った事例です。
いまの我が国で最低賃金を引き上げた時、対象となる人々の人件費増は勤め先企業の余剰利益を吐き出させる形で吸収できるのか。それが出来ず企業が雇用を減らした時、職を失った人々は生産性の高い、つまり限界的な雇用増がコスト以上の利益を生む企業に移れるものなのか。あるいは人件費増を価格引き上げで消費者に転嫁できるものなのか。
それでなくても日本企業が生産拠点を海外に移し、外国企業も設備投資して人を雇おうとしない日本、そして価格競争が激化して物価に下落圧力が掛かっている日本の環境で最低賃金を全国一律にして大きく引き上げたら、パート等の形で地方で働く移動困難な人々の職を奪うだけに終わりそうに感じないでもありません。企業を虐めて労働者に寄添う最低賃金の大幅引き上げは大衆受けする政策ですが、人為的に決められた最低賃金が雇用に及ぼす影響は複雑です。企業経営の根幹である賃金に過度に介入することはせず、日本企業も外国企業も喜んで高い賃金を払って人を雇うビジネス環境を我が国に整えることにこそ政府は力をいれるべきであるように思います (・。・;最低賃金の問題は、最低賃金に対する考え方や、その最低賃金に対する決め方、決まり方など、本来どうあるべきかの理念と政策のもとに取り組みを進めるべきだ。でなければ、政策・制度が健全に機能しない。
日本では、最低生計費的な考え方だが、欧州では、賃金の実態中位比として設定し、労働の正当な対価とている。また、日本では法律に基づき公労使が協議し労働局が決める仕組みだが、全てではないが欧州では、労使自治を基本にして労働協約により決定されている。あくまでも、現場現実を知る関係者による決定となる。
ましてや、これからの論議無しに、中小企業を最低賃金を一律にして整理し、日本の生産性を引き上げることを目的とするなど、本来議論不在のバカな話はあり得ない。
ただし、最低賃金の引き上げは生産性を引き上げるし、雇用を減らすことにはならない。