ANAがQR決済参入 年内にもアプリ、買い物でマイル
コメント
注目のコメント
既存ユーザに対して選択肢を広げるという意味ではとても良い施策だと思いますが、これが新たな収益ビジネスになり得るのか?というと数点気になる部分があります。
1つめは、なぜわざわざQR決済なのか?という点です。
既にANAカードで非接触という手段があるにも関わらずQRコード決済を使わせるというのは、U/X的には難しく、敢えて使っていただく必要があります。敢えて使っていただく為に後述する設計をどれだけ魅力的にできるか?が重要だと思います。
2つめは、マイルを使い終わった後の再利用率です。
使いみちが狭まったマイルの出口を用意するというのは、ストーリとしてもとても綺麗です。
ただし、既に貯まったマイルの出口としては良いのですが、再利用していただく為には、マイルを貯める理由を作る事が必要です。
3つめは、インセンティブ設計です。
ANAカードは還元率が0.5%-2%(ブランドやランクによって異なります)で、クレジットカードとしては一般的な水準です。
ただマイルは特典航空券に交換する事ができ、数万マイルで普通に買うと倍以上するチケットを受け取れたり座席をアップグレードできるので、マイルにお得感を感じてきました。
インセンティブ設計の妙味は、実際にかかるコストよりも魅力的に見えるものをどれだけ用意できるかが重要ですが、今までその優れた例の一つが特典航空券等であったわけです。これが、1マイル1円だと他社のクレジットカードと変わない為、コストを抑えた魅力的なインセンティブ設計を如何にできるかが重要です。
4つめは、インフラコストです。
加盟店開拓をいまからするとは考えづらいので、直接加盟店方式は無か、あっても限定的でしょう。メインは、スマートコードやJPQR等のネットワークにのるか、セブンさんのようにPayPay等の既存のサービスを活用するかだと思われます。その場合、コスト的に決済部分単体での収益化は難しくなる為、インセンティブ設計が苦しくなるでしょう。
とはいえ、ANAは残高サービスの運営(SKYコイン)、モール事業やタイアップの企画商品開発、旅行会社との連携等、色々な取り組みをされた経験をお持ちなので、提携も含め新しい企画をどんどん出されるのだと思います。
1ユーザとしてはマイルの利用方法が広がることは楽しみにしております!すでにクレジットカードがあるのに、なぜQRなのかと思うようなものですが、今朝の日経新聞にはクレジットだけでなくスマホ決済についても顧客動向を把握するためと説明されており、少額決済についてもデータを蓄積して活用するビジネスを考えているということになるのでしょう。確かに現状はSuicaに取られている部分が大きい印象がありますので、これをQR決済に移行させたいということなのだろうと考えられます。
ただしこれを普及させるということを考えると、多くご指摘があるように、マイルの使い道も増やしてあげる必要がありますが、この点をどう考えているのかは報道からは見えません。
日本の航空会社のマイルの有効期限は3年であることが多く、私も前の会社でマイルを無期限にしたらどうかと提案したことがありますが、有効期限切れで消えているマイル(=航空会社にとっては債務の免除と同等)がいくらあるのか考えてから発言しろと怒られてしまいました。マイルの使い道を増やすのは、航空会社にとってはそれだけ自分の首を絞めかねないことであり、現状ではあまり思い切ったことはできないのではないかと考察します。航空会社のマイルは、航空券を利用したい人にとって1ポイントに1円以上の価値があるため、一定の数の利用者を集められる可能性を感じます。
ただし、マイルに価値を置く人がマジョリティということではないので、スーパーアプリがQR決済の延長線上には存在しないのは明白です。
スーパーアプリ構想は、テック企業を中心に国内の多くの企業が狙っていますので簡単ではありませんが、魅力的なサービスが構築されることを期待しています。