東レ、次世代蓄電池向け絶縁膜 容量2~3倍が可能に
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さっき電池討論会の発表をリモートで途中まで聞いてました。また、以下にも書きましたが、デンドライトが生成してもショートさせない無孔層とイオンが通過出来る微孔層を張り合わせてラボレベルの評価をしたところまでですね。
https://newspicks.com/news/5403905
Kato Junさんが仰る通り、電池容量が2~3倍になる理由は、負極にリチウム金属を使っているからです。このリチウム金属負極はかれこれ四半世紀前にカナダのMoli Energyがドコモの携帯電話向けに生産していたんですが、ショート&発火という、現在のLG化学のような事故を多発させたため、研究開発は下火になってましたが、理論容量としてリチウム金属は最強なので、今でも世界中で研究が続けられています。
東レも3~5年後の生産に向けてと言っているように、まだ暫く実用化には時間がかかりそうですね。
ポイントとしては、二枚重ねのポリマーシートという方式の技術的なスジが良いかどうかです。セラミックコーティングしたセパレータを出している東レからすれば、デンドライトを抑制するだけならお手のもの。いかにイオン伝導性(=イオン伝動度×輸率)を高めるかにかかってます。
つまり容量はリチウム金属で増やせますが、実用に足るCレートとサイクル数にするには、まだまだ時間が掛かりますね。絶縁膜で2-3倍ではなく、負極材を金属リチウムにした時のリスクを抑えるために絶縁膜の進化が必要で、それに対応したもの。充放電サイクルとしてはまだ厳しいが、これまでに比べれば大進化。
セパレータは、表面に細かい穴が大量にあり(微多孔膜、下記)、そこを通じてイオンが通過する。均一であることによって、その移動も均一になる。本記事見る限り「表面に穴がない層」とあり、このバランスと併せてどういう原理なのかが気になる。
https://www.teijin.co.jp/focus/lielsort/technology/電池討論会の発表聞いていました。Matsunagaさんの解説の通りですね。あと、本日の発表では安全性に関しては一切データで言及されていませんでした。
金属Liは現行のカーボン系やSi系の負極に比べて反応性が高く、100℃以下でも電解液と反応して熱暴走を始めるという説もあります。そのため、デンドライト以外の釘刺しなどの短絡モードで短絡した際の安全性確保は更にハードルが上がります。
今日の発送も含めて、まだ大型セルを組む段階に無いために安全性の検証は進んでないのだと思います。どこまで電池メーカーと進めているかわかりませんが、5年後は厳しそうな印象、と言うのが率直な印象でした。
追記>
質問のセッションでも出ていたけど、両側に無孔層があるために液回りは悪いはず。となると中間層が圧縮等で液枯れした場合にはパスが死ぬ可能性もある。今回は電解液の多いと思われるコインセルだったが、車載向けの大型セルで電解液も必要十分量になった時にどうか。気になります。